聖心女子大学2


2代目制服(旧制服)

2000年頃~2019年度

2000年ごろに最初のモデルチェンジをして2代目へと移行した。正確な年度は特定されていない。初代制服との違いについては後述するが、大きなポイントは色合いが濃いグレーになったこととスカートの形状だ。上着の着丈もやや長めになっている。それ以外、襟や縫い取りデザインなどに変更は見られない。

近年親しまれていた制服だが、2020年度より新制服に移行した。


制服詳細

2代目への移行は2000年ごろと思われる。正確な年度は不明だが、1997年の卒業生は初代モデルを着用したとの報告がある。

初代モデルは表地が明るいグレーで、スカートの形状がボックスプリーツだったが、2代目は落ち着いたダーク色のチャコールグレーになり、上着のボタンのデザインが変更され、着丈もやや長めだ。スカートはプリーツがなくなりAラインになった。一方で、上着の襟やポケット、ボタンの数および縫い取りの形状は同じで、裏地の色もほぼ同じ。ブラウスは白い指定品があったが、似た者ならば必ずしも強制はされなかった。

襟元にはネクタイなどの付属品は付けない。

裏地は、上下ともに明るいシルバーグレーの光沢のある生地が付いているのが標準だったが、2017年度の新調品から表地と同系色(ダークグレー)の裏地のものが見られる。この色合いは3代目にも引き継がれている。

素材は、初代制服の表地が毛100%だったのが、2代目は表地が毛50%・ポリエステル50%となり、いささか軽くなった。裏地は両方ともポリエステル100%である。お手入れはドライクリーニングオンリーだ。

販売は三越百貨店(三越スクールユニフォーム池袋店)担当。

2020年度新入生から上着デザインの一部を変更するとともに、パンツスタイルを追加するなどの2度目のモデルチェンジが行われ、3代目(現行制服)が誕生する。

↓2018年度Student Handbook2018より

画像:聖心女子大学Student Handbook2018



聖心女子大学の制服は、着用義務のある行事や期間以外では着用することは滅多に無いが、学生会に所属している学生は頻繁に着用する機会がある。文化祭の実行委員なども文化祭当日まで制服着用で活動しているようだ。

一方で、この制服は就職活動にはあまり活用されないらしく、就職活動用に別にスーツを購入することがふつうだったようだ。聖心女子大学の制服はチャコールグレーという、現在主流の黒いスーツとは少し異なる色合いであることと、関東地方では比較的有名なデザインであることなどの理由により、制服を着用すると「聖心女子大学」というブランドが先に立ってしまい、活動に支障が出ることもあるという。個人的な印象だが、この制服は学生たちにはあまり評判がよろしくなかったようだ。「ダサイ」とはっきり書いてあるブログもある。たとえ式典のみであっても、自分で選んだスーツを着たいという乙女心なのだろうか。

とはいえ、女子学生には学生としての誇りをもって活動してもらいたいという思いもあるのか、2018年ごろより、就職活動用にタイト系のスカートも用意されるようになった。 


↓2代目制服の後期型には、ネームタグに「ZIPPY YOSHIZEN」という文字が入る。

襟には「ZIPPY」というタグが付いている。

(この画像の制服の裏地の色はシルバーっぽい明るめの色なので、正確には後期のうちの前半期のものである。最後期になると、裏地の色は表地と同系の濃いグレーになっている。)


↓スカートは左サイドジッパーと3段ホックで着脱する。右側のみ縦方向に切りポケットがある。スカートの裏地は左右の裾にスリットが入っているが、後述する最後期型のダークグレーの裏地タイプでは、スリットはなくなっている。





↓学則により、実際に上着を着用するときは前ボタンを全て留めなければならないので、画像のように前をはだけて着用している学生には、街中では出会えない(はずである)。



画像(上3点):ヤフオクh356550181


隠し胸ポケット

↓初代制服から引き継がれていた仕様として、上着の左の胸に縫い目に沿って縦方向に隠しポケットが付いていた(写真参照:ペンで示す)が、2010年ごろのマイナーチェンジで2代目の後期型制服ではこれが無くなっている。



指定ブラウス

↓指定ブラウスは白色で角襟、金縁のボタンが特徴である。

白色で無地のものあれば必ずしも指定のものを着用する必要は無かったが、ほとんどの学生は金色の縁取りがあるボタンの指定ブラウスを着用した。指定品でない場合はスーツカンパニーなどのブラウスが用いられた。

素材はポリエステル50、綿30、レーヨン20%で柔らかめの肌触り。

画像:ラクマ MIU




メーカータグに見る変遷

↓2代目制服の前期モデルはピンク文字のMITSUKOSHIタグで、UとKが引っ付いた意匠である。このタイプのタグは初代制服の最後期のものにも見られる。


↓写真は2代目制服(前期)の三越タグ。左身頃の裏にさりげなく付いている。後期モデルはZIPPY YOSHIZENタグに代わっている。

↓2015年卒業生の2代目制服(後期モデル)のメーカータグ。上は上着のもので、ZIPPY YOSHIZENという名称が入る。下はスカートのもの。スカートも後期モデルはYOSHIZENタグが付いている。ちなみにZIPPYは吉善商会のブランドだ。過渡期では上下で異なるタグのものもあった。

(画像:ラクマ)



裏地の色

↓上着とスカートの裏地の色は、初代制服から2代目まで一貫してライトグレーだったのだが、2代目制服の最後期に新調された制服には、表地と同系色の黒っぽい裏地が付いているものが見られる。時期は特定できていないが、2017年度入学以降の制服は黒っぽい裏地で、2014年度入学の際に新調されたものはライトグレー裏地だったことは確認が取れている。この黒系の裏地は3代目に引き継がれている。裏地に関心のない人にとってはどうでもよい話ではある。

なお、この時期のスカートにはウエスト背部にゴムが入っている。ホックは3段のままだ。また、ライトグレー裏地の左右にあったスリットがなくなっている。

ついてに書くと、スカートのジッパーの取っ手も形状変更され、3代目制服スカートに引き継がれている。






制服比較(初代と2代目)

一度目の変更前後の制服を並べてみると、印象は異なっていることが分かる。

まず一目瞭然なのは色だ。どちらもグレー系だが、初代制服のほうはかなり明るい色である。初代制服は半世紀ほど使用され、まさに聖心の顔だったので、古くから知る人にとっては2代目のチャコールグレーはかなり違和感があったかもしれない。

スカートがボックスプリーツからAラインに変更になったことについては、あまり気にならないとしても、上着の着丈やスカート丈の見直しにより、トータルで現代的なシルエットになっていたと思う。

生地素材も変更され、軽快感が増したことは着用する本人が感じることだが、新旧両方とも袖を通してみないと実感できないかもしれない。

↓初代モデル(~2000年頃)

↓2代目モデル(2000年頃~2019年度)

画像:Kurumix


↓襟の形や縫製などはほぼ共通しているので、一見すると色が変わったぐらいにしか見えないが、よく見ると2代目は着丈がやや短めで、スカートにはプリーツがない。

聖心女子大学 新旧制服 上着
聖心女子大学 新旧制服 スカート

ボタンの形状も変更され、初代制服は特徴的だったが、2代目は割と平凡なものになった。

↓初代制服ボタン

初代のボタンの色は茶色が標準だが、初期モデルは黒色だったらしい。

画像:ウイング

↓2代目制服ボタン



先輩と後輩の制服

2014(平成26)年の歌会始の儀に、聖心女子大学2年生(当時)の中島梨那さん(20)が選ばれて、皇居へ招かれたことがあった。中島さんは跡見学園高校から聖心女子大学へ進学したのだが、入選歌の披露のときに聖心女子大学の制服を着用していた。

皇后美智子様(当時)は中島さんにお言葉をおかけになられたが、そのとき「これは大学の制服ですか?私が着ていた制服と似ていますね」というようなことをおっしゃられたそうだ。

時代を考えると、美智子妃はライトグレーでボックスプリーツスカートの、中島さんはチャコールグレーでAラインスカートの制服なので、「同じ」と指摘されなかったのは流石の観察眼でいらっしゃる。



制服のご案内

入学前に配布される書類に「聖心女子大学制服のご案内」というのがある。それを見ながら、各年度の制服注文について検証してみよう。ちなみに2020年度から新制服になり、またちょうどその頃に新型コロナウイルス感染が騒がれている。


三越 制服のご案内(2019年度入学生:2代目旧制服)

毎年2月下旬の一日だけ、大学構内で採寸が行われる。採寸日に行けない場合は、三越スクールユニフォーム池袋店に出向くか、申込書を郵送する。

採寸会場では、サイズ別にずらりと並べられている制服を試着し、修正が必要な場合はその旨を申し出る。

上着22,572円

スカート14,364円

ブラウス5,616円

一式合計42,552円(8%税込み)

出来上がったら代金引換で送られてくる。

(金額は2019年度入学生用)

聖心女子大学 制服注文書2019

サイズのヒント

 <2代目制服>

【ジャケット】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

size:S 

【スカート】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

ウエスト: 64~69 

丈:57センチ

身長156㎝でちょうど良い丈だった。

(2017年卒業生)

 

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【ジャケット】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

肩幅: 41cm 

肩から裾まで: 54cm

(隠し胸ポケットなし)

【スカート】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

ウエスト: 66-54と表記あり 

丈: 56cm

 購入時:身長162センチ 体重48キロ

(2015年卒業生)

 

=====

【ジャケット】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

サイズ:ST

(隠し胸ポケットなし)

吉善商会

【スカート】 

表地: 毛50%ポリエステル50% 

裏地: ポリエステル100% 

ウエスト: 66-51と表記あり 

吉善商会

購入時:身長162センチ 体重48キロ

(2018年卒業生)