キャセイパシフィック航空2

前制服(1999~2011年)

1999~2011年、採用されていたCA制服は香港を代表する世界的デザイナーEddie Lauによる。同氏は2011年以降から現在も使われている制服も担当していて、色合いも雰囲気も旧制服のものを受け継がせている。

1999年から採用された前制服は、2005年にマイナーチェンジが加えられ、全体のイメージはほぼそのまま受け継がれたが、ジャケット(上着)やスカート、ブラウスの細部に靴化のデザイン変更が加えられた。

ここでは、1999~2005年の制服を前期型、2005~2011年の制服を後期型と呼ぶ。


↓2005~2011年に採用されていた後期型。

画像:asia one

↓写真左が現行制服、右が前制服(後期型)。

↑画像:ETtoday旅遊雲


画像:ラクマCamel



ジャケット(前期型)

前制服は1999年から12年間採用されたモデルだが、ちょうど中間点の2005年にマイナーチェンジがあり、一般格CA制服は、ジャケットの着丈や襟裏、スカートの前合わせ、ブラウスの色柄などに変更が加えられている。赤いスーツに黄色いアクセントカラフルなウイングマークというコンセプトは変わらないが、細部は微妙に異なっている。

↓1999~2005年に採用されていた前期型ジャケット(上着)は着丈が長く、裾が袖先より下に来る。

表地:ウール70%、ポリエステル30%

裏地:アセテート100%

↓同じく前期型スカートはAラインのラップ風デザイン。


↓赤い表地のジャケットの裏側が明るい黄色という色遣いが斬新だ。また、襟裏に10本のステッチが入っているのも前期型ジャケットの特徴だ。

↓ジャケットのバックスタイル。スリットやベンツは無い。



↓左胸にウイングマークをあしらったCATHAY PACIFICバッジを付ける場所が設けられていて、ジャケット本体の生地にダメージが及ばない。


↓ジャケット(上着)の袖先にはスリットがあり、裏側の黄色が覗く。

↓袖先の裏側は、スリットの部分には裏地が付いていない。


↓表地は真っ赤なのに、裏返すと眩しいばかりの艶やかな黄色い生地が輝く。左右のウエスト部には内ポケットがあり、それぞれにペン差しも付いている。

↓背中の襟付近にキャセイのタグがあり、サイズ表記も付属する。左裾のほうに素材タグと予備ボタンが付いている。画像では裏返っているが、素材タグに下にあるのは「MADE IN HONGKONG」という生産地タグだ。


↓ジャケットの左側裏に素材タグがある。

↓素材タグによると、

表地:ウール70%ポリエステル30%

裏地:アセテート100%

ドライクリーニングオンリー。

タグに赤い予備ボタンが付いている。




ジャケット(後期型)

↓2005年のマイナーチェンジでジャケットの着丈が短くなる。下の画像は後期型の短いジャケット。

裏地に派手な黄色い生地を使っているところは前期型と同じパターンで、袖先にスリットがあるのも変わらず、全体のイメージは受け継がれているが、ウエストが少し絞られたシルエットになったようだ。細部では、襟裏のステッチがなくなっているのと、左右のアウトポケットの切り口形状が異なっている。

画像:ラクマglamecco



↓別バージョンとして、このジャケットの裏地は袖先と前合わせ付近は黄色だが、それ以外は表地と同系色の赤色になっている。つまり、着用しているときにちらりと見える部分のみ鮮やかなコントラストを見せる。ただし、この黄色い部分は表地と同じ生地質だ。

画像協力:台湾Angel



ブラウス(前期型)

↓ブラウスにはウイングマークがちりばめられていて、現行制服に似たデザインである。様々な色のウイングマークは、多くの鳥たちが羽ばたいているように見えておしゃれだ。

ブラウスも、2005年を境に前期型と後期型に分かれている。描かれているウイングマークの色使いによって容易に区別できる。

水色・赤・黄・紺の4色で構成されているのは1999年~2005年に採用されていた前期型である。

画像:ヤフオクhitosukerin



ブラウス(後期型)

↓2005年~2011年採用の後期型ブラウスのデザインはシンプルになり、下のように赤と黄色のみのウイングマークだ。シルエットもジャケットに合わせて、ウエストをやや絞ったデザインになっている。2011年以降の現行制服に似た色使いだが、現行のほうは襟に別布の赤い布襟が付いていて、こちらにはない。

別に赤いブラウスもあるが、こちらの白地のほうが標準的に使用される。

画像(上2点):ラクマCamel



画像(上4点):ヤフオク 花咲にゃんこ



ブラウス(赤タイプ)

赤地にウイングマーク地模様入りのブラウス。襟の形状やボタンの仕様は同じだ。袖脇にスリット入り。ポリエステル100%。

画像のスカートは上級クラスのサービス用ロングスカート。



画像:ヤフオク


スカート

↓スカートも前期と後期で違いがある。

2005年までの前期型のスカートはラップ風であるが、実際にはウエスト部分で縫い閉じられている。内部は総裏地だが、重なっている外側の部分には裏地がない。

前期型スカート

画像協力:mami

↓2005年以降の後期型スカートは、前の重なる部分が上から3分の2ぐらいまで縫い閉じてある。このスカートは、すべてに裏地が付いている。

画像では色合いが前期型と異なって見えるが、実際は同じである。

後期型スカート

画像:ラクマCamel


↓濃紺のスカートも存在する。

画像:ラクマglamecco




エプロン

↓機内サービスで着用するエプロン。



↓写真は、前制服のうち、上級クラスをサービスするCAが着用する制服で、スカートが足首まで覆うほどのロング丈になっている。

以前、ヤフオクで出品されたことのある下記のモデルは、1999年10月23日から2011年まで採用されていた旧制服のうち、ジャケットの着丈が長い前期型だ。

商品説明に曰く、

「約10年前の退社時にいただいたままの制服が片付け中に出てきたので出品いたします。

長期間タンスの中に入っていたので折りたたみシワなどはあります。

わかる範囲でご質問にはお答えいたしますので分からない事はご質問ください。

サイズ等は画像でご判断ください。」

落札価格は107,000円。

こうした制服は航空ファンのみならず、制服フェチに引き取られることも多く、そうなると制服の運命は悲惨かもしれない。まれに女性ファンのもとへ引き取られることもあるようなので、そうした道をたどっていることを願ってやまない。

私は、キャセイの中でも、この世代の制服が大好きである。

画像:ヤフオク nangoku_paradaice 2018/10/14


↓各制服アイテムには「キャセイパシフィック」のタグとネームタグが付いている。

写真のタグはパーサー格が着用する赤いブラウスのもの。

↓上着は一般格CAと同じもので、裏地には黄色い艶やかな生地が使われている。

写真では赤いブラウスが添えられている。赤いブラウスにはウイングマークの地模様がある。



↓素材

表地:ポリエステル

裏地:アセテート

↓サイズ指定はあるが、ウエストゴム入りで若干の余裕はありそうだ。


↓少し折ってハンガーに掛けた状態。真っ赤な裏地がスリットから見えて、コントラストが美しい。

スカートの吊り紐も裏地と同色だ。

↓CAが歩いたときにスリットから覗く赤い裏地が妖艶だ。


画像:ヤフオクnaomi_mio_mutsuki


ロングコート

↓ロングコート。

肩から裾に向かってゆったり広がるAラインのシルエットが、CAたちをすっぽり包んでくれる。裏地は総裏で、裾までしっとり艶やかな生地が付いている。光沢感も肌触りの秀逸だ。

表地:ウール80%、ナイロン20%

裏地:アセテート100%


↓襟はスタンディングタイプで、ボタンはコンシールになっている。一番上のボタンのみ留め方が異なる。

↓裏地に付いているサイズ表記とキャセイのタグ。その下は所属とネームを記載するタグ。

コートのほか、ジャケットやスカート、ブラウスなどに付いているカンパニータグに、下記のように会社の所有物である制服を無断で売却したり使用したりすることを禁じる文言が入っているものは後期型だと思われる。このタグは次のモデルにも受け継がれている。

写真のコートのサイズは30L。数字の後ろのLはLarge(長身)という意味で、着丈が標準サイスより長めに作られている。

画像:以上ヤフオクsangatsuusaginomori-64100

↓同じコートでも、異なった表記のタグもある。こちらはデザイナー名のみ記していてシンプルだ。曰く、Exclusively Designed by EDDIE LAU.(エディ・ラウにより独占的にデザインされたもの)。

おそらく前期に支給されたものだろう。

こちらのコートのサイズは36R。数字の後ろのRはRegular(標準)という意味である。

画像:ヤフオクcorelliq-50000