1946年9月24日設立で、香港に本社を置く老舗の大手航空会社である。
中国語表記は「國泰航空」。
2011年7月から採用されている現行のCA制服。ひとつ前の制服デザインを踏襲したデザインになっている。Eddie Lauデザイン。この制服で同社CAの10代目制服となる。伝統の赤色が今回も継承されている。この赤色は1962年の4代目制服から続いている。
現行制服は、一般客室乗務員が明るい赤色(ローズレッド)の上着とAラインスカート、カラフルなキャセイロゴ入りのブラウスが基本である。上着の襟と袖口にはベージュのアクセント生地が付いている。
スカートは後ろ裾に2カ所スリットがある。ブラウスは、上着と同じ形状の赤い襟が付いている。
裏地は、上着が総裏で、赤いサテン生地が付いていてなかなか妖艶だ。スカートの裏地は上着のものとは別物で、やや濃いめの赤い生地だ。
全体的に前の制服に似たイメージだが、スリムなデザインに仕上がっていて、CAたちはタイトに着こなしているようだ。
フライトパーサーになると、上着がやや濃い赤色になり、スカートは黒色を穿く。
さらに上級職のインフライトサービスマネージャーは上下が黒色となるが、デザイン形状はすべて同じである。
なお、ジャケット(上着)は、長距離フライトの路線に乗務する場合と、季節的には10月から4月末までの乗務には必ず着用しなければならない決まりになっている。
画像:Cathay Pacific
画像:Cathay Pacific(産経新聞)
↓上着の襟は、画像では白っぽく写っているが、ベージュ系の別布が付いている。同じ生地が袖口の裏側にもある。
上着の左胸に付いているのは、キャセイロゴのウイングバッジ。
上着の前身後の裏側には、下のほうにそれぞれ内ポケットがあり、左側のポケットの中に素材タグがある。
素材は、上着、スカートともに表地:ウール60%ポリエステル40%、裏地:ポリエステル100%である。
↓スカートはAラインで、後ろ裾に2カ所スリットがある。一世代前のスカートは、巻きスカート風のデザインだった。
ポケットは右側にひとつあるだけだ。
着脱は左脇のジッパーとウエストにひとつあるボタンで行う。
↓画像の上から、ジャケット、ブラウス、スカートのタグ。
上着の裏地は総裏で、ツルツル光沢のある妖艶なサテン生地が付いていて、怪しい輝きを放つ。スカートの裏地は表地と同系色だが、上着とは同じポリエステル100%ながら、手触りや光沢感は別物で、上着の裏地のほうが格段に魅力的だ。やはり上着は人前で脱ぐことを想定しているのだろう。
タグの下は、登録番号と氏名の記入欄である。
↓制服を収納するガーメントバッグ。さりげなくウイングマークが付いている。
画像:ヤフオクzgtun55723
↓前ボタンは4つあって、すべて隠しボタン仕様。アウトポケットは付いておらず、内側の前身頃には左右に内ポケットがある。それぞれにペン差しも付いている。
↓先代の制服に比べると、いっそうウエストが絞られたタイトなシルエットになっている。背中側にはベンツ等は無い。
↓「キャセイパシフィック」タグには、
”Exclusively Designed by Eddie Lau.
Property of Cathay Pacific Airways Ltd.
Any sale or unauthorized usage will be subject to Legal action."
「Eddie Lau氏により特別にデザインされたものであり、キャセイパシフィック航空株式会社の所有物です。
販売行為や無断使用は法的措置の対象となります。」と明記してある。このタグは、上着のほか、ブラウスやスカートにも付いている。
↓「ブラッシュウイング」バッジはジャケットの左胸に付ける。縦45mmx横30mmほどある、比較的大きなものだ。「離陸または水平飛行の角度で付ける」というルールがある。
ブラウス姿またはエプロン姿になるとネームプレートを付ける。
キャセイパシフィック航空はグランドスタッフもこれらと同じ制服を着ていることがあるが、このバッジを付けることができるのは客室乗務員(CA)だけである。
画像協力:mami
↓ブラウスはしなやかな生地で、襟に赤色の別布が付く。基本的に上着と同じコンセプトのデザインだ。
ボタンは上着と同じく隠しボタン。脱がせるときに面倒なので、隠しボタン仕様は個人的には好きではない。
↓素材はポリエステル100%。
ブラッシュウイングと呼ばれるマークが3種類連なっているのが特徴だ。
画像:ヤフオク californiaplusjp
↓エプロンは制服と同じ赤色を採用し、襟のデザインも同じだ。
機内サービスのときにブラウスの上から着て、左胸にネームバッジを付ける。
↓エプロンがシートに置かれていることもお構いなしに腰かけているCA、というのはよく見る光景だ。
シートの隙間などにくるっと丸められて押し込められていたりもする。
画像:Instagram
画像:ラクマCamel
<新規採用時の制服等支給内容>
・ジャケットx2
・スカートx3
・半袖ブラウスx4
・コートx1
・エプロン(Smocks)x3
・シューズx1足
・グローブx1セット
・ストッキングx5
・キャリーバッグ大・小
・ガーメントバッグx1
・ショルダーバッグ(Handbag)x1
・ウイングバッジ(Wing plate)x1
・ネームバッジx2
↓新規採用された韓国の新人が最終試験に合格し、制服やバッグ一式を受け取っている動画である。実に嬉しそうで微笑ましい。
制服の支給内容が分かる。
↓名札はブラウスに、ウイングマークはジャケットに付けているのが分かる。
制服ブラウスを着て髪型を整える様子や、ジャケットを着る姿が見られる。また、ロングフライの中で、制服ブラウス姿で機内ベッドで寝る様子も写されている。さらにホテルに到着して、制服をクローゼットに収納する様子など、CAさんのオフの姿が見られるのも面白い。
↓制服がキャリーケースに収められたり、ジャケットがバッグの下に置かれていたり、部屋に吊るされていたりする様子が見られる。また、制服姿でエプロンにアイロンをかけるなどしている。
↓01:35あたりから、ホテルのクリーニングに制服を出すのに、ランドリーバッグにぐしゃっと押し込んでいる。
↓CAたちがスタジオで記念写真を撮る様子が映されている。コートまで引っ張り出されて、みんな終始ノリノリだ。
↑↓脱ぎ置かれた制服ジャケットやコートにドキリとしてしまう。このように放置された制服はいろんな想像をかき立ててくれるので、眺めているだけで楽しい。(YouTube 6:47より)
CAが上着をショルダーバッグに引っ掛けている姿はよく目撃するが、これは引っ掛け方がかなり乱暴で今にも落ちそうである。
上着はさぞ怖い思いと痛い思いをしながら苦しんでいることだろう。
右側のロングスカートのほうがキャセイの上級クラス担当のアテンダントだが、CA以外でも地上職員も着ていることがある。
ロングスカートの裏地には派手な赤い色のサテン生地が付いているが、これも1999年から採用された先代の制服デザインを踏襲している。
床を擦りそうな丈で、眺めのスリットが入っている。一見優雅に見えるが、裾のことなど気にせずにガンガン蹴飛ばして歩いている。裾まで付いているか弱い裏地も、外からはほとんど見えないが、汚れと傷みでひどいことになっていく。
ちなみに左側はエミレーツ航空のCA。
2011年採用の現行制服は、使い古されるとリメイクプログラムにより、利是封(小物入れ)に作り変えられる。詳細は当サイト内「リメイク」ページ参照のこと。
<出典:GOtrip Facebook 2017/9/20>
キャセイパシフィック航空は、2017年に、CA制服生地をリサイクルして作った利是封(春節のお年玉袋)を販売した。商品説明ではパスポートやカードなどを収納できるという。
使っているのは現行の制服だが、擦り切れや傷みが激しいために回収したもののうち、比較的綺麗な部分の生地を利用しているという。
香港ラグビー協会主催の7人制ラグビー「香港國際七人欖球賽(香港セブンズ)」のプロモーションで、キャセイパシフィック航空のCAたちが駆り出された動画がある。
7名のCAが制服姿で順番にトライするというものだが、なぜか工事現場でコンクリートの泥に向かって飛び込む設定なのだ。当然、美しい真っ赤な制服もドロドロにされている。赤い制服には白い泥が目立って面白いというわけだろうが、こんな目に遭わされて、制服たちが楽しいはずはないだろう。
登場するCAはすべて実際に乗務している女性たちのようで、もちろん制服も本物である。
トライした後でCAが微笑むシーンがあるが、実はこれはトライした直後の映像ではなく、わざわざ別にメイクして撮影したものだということが参加者のインスタグラムで判明した。あのワンシーンのためだけに制服を着て、胸から上に泥のしぶきを飛ばされている。わざわざスカートも穿いているので、下まで汚されてしまっているが、ジャケットだけ着ればよかったのではなかろうか。
撮影用に何着も用意されていて、終わったらそのまま処分ということであれば、制服たちがあまりに哀れだ。
↓インスタグラムの画像を見ると、ジャケットの上部が集中的に汚されていて、泥のプールに飛び込んだ後ではないことが分かる。
↓これほど思い切ってダイブしているのだから、トライ直後は制服の色が変わるほどドロドロのはずだ。
それにしても、CAにトライさせる演出は否定しないが、泥の中に飛び込ませるという発想には驚く。
ちなみに彼女の背番号は2番だ。
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最終更新日:2024年11月16日
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