高校受験や大学受験のための家庭教師をしていたことがある。選んだわけではないが、すべて女子生徒だった。生徒のひとりは、某私立大学の附属校に在籍していたが、希望の学部に入るには日ごろの学業成績を上げなければいけないとのことで、私が面倒を見ることになったのだ。
彼女はぎりぎりまで運動部で頑張っていて、私が先に生徒の部屋で待っていることもあった。息せき切って帰宅した彼女は、制服姿のまま机に向かおうとする。
「着替えてきていいよ」と声をかけるが、「このままでいい」と言う。このパターンがしばしば続いたが、日が経つにつれて、彼女の制服のテカリが強くなるのを私は見逃さなかった。卒業したら、この制服はどうなるのだろうという思いが常に頭をよぎり、制服を憐れんでいた。
校内選抜試験が過ぎ、彼女は一番難しいとされた希望の学科へ進学が決まった。そして、無事に卒業式を終えたある日にお祝いに伺うと、彼女が「先生、お礼に制服あげます」と言ってきた。
「え?どうして?」と返すと、「先生、よく制服見てたから」と言う。そんなつもりはなかったが、近くにいると視線を敏感に感じるのかもしれない。
「そんなのもらっても困るなぁ(笑)。でも、もらわないとどうするの、制服?」と私。
「んと、捨てるしかない。もういらないもん」
「捨てちゃうのは可哀想だよ」
「可哀想って誰が?」
「制服が可哀想だよ」
「なにそれ??? もう使わないから邪魔だし」
「言っとくけど、制服なんか興味ないからね、僕は」
「じゃぁ、記念に持ってて。捨てるのは可哀想なんでしょ?」
そんなやり取りがあって、高校の制服を押し付けられてしまった。酷使された制服を助け出すことができてホッとしていたのだが、彼女はそれを知る由もあるまい。
先に書いた家庭教師の話の続きだが、附属大学へ進学した女子には妹がいて、私はその子の面倒も見ていた。勉強部屋に、姉がときどき紅茶とケーキを持ってきてくれたのだが、帰宅直後には大学の制服を着たままのときもあり、照れ臭そうに制服姿を披露してくれたのだった。そんな彼女に着られている制服は、私には眩しかった。
ある日、いつものように家庭教師に出かけると、妹はまだ帰宅しておらず、しばらく待っていてほしいと、いつもとは別の部屋に通された。部屋に入ってハッとした。そこには姉が通う女子大学の制服(冬服)が、ハンガーに掛けられて壁に吊るされていたのだ。
実を言うと、私はその大学の制服に強い関心を持っていた。学生たちはスーツ型の制服を常時着用していたので、夕刻になると、帰宅する学生が多く乗る電車のターミナル駅から、制服姿の女子大生が多数流れ出てくる。女子大生という大人の女性がカチッとしたスーツを着ている姿は、女子中高生のそれとは異なり、颯爽としてカッコよく見えた。私はそれを眺めるのを楽しみに、駅前に出たときは、出口あたりに立ってよく観察していたものだ。
特に衣替えの季節の前後になると、上着を腕に抱える学生が多くいた。その姿には個性があって、上着を丁寧に畳んでいる子、裏返して束ねている子、どちらが上下左右か分からないようなデタラメな持ち方をしている子など様々だ。ほかにはバッグに押し込んでいる子あり、袖で腰に巻き付けている子あり。どれもこれも可哀想な上着の様子に胸を痛めつつ、ちらちら見える艶やかな裏地にドキドキして、学生たちを眺めていた。
そんな制服が、今まさに目の前にあるのだ。
若い女性の衣服が脱ぎ置かれているというだけでワクワクするものだが、この制服は特別だ。
女子学生が所有し、女子学生に着られている現役の制服なのだ。しかも、あの大学の制服。よく見ると、上着とスカート、ブラウスが重ねてハンガーに掛けられている。
彼女はもう2年生になるのかな。この制服も使い込まれて可哀想だな。
そう思うと、いてもたってもいられなくなった。
私は人の気配がないことを確認すると、制服に顔を押し当てて、鼻から思い切り空気を吸い込んでみた。生地の香りの陰に、ほんのり香水と石鹸の混ざったような匂いがする。
次に上着の袖を摘まんで生地の感触をチェックする。袖を持ち上げて肘あたりのテカリ具合を見る。袖口を覗いてみる。袖を落とすとだらりと下がり、一瞬生き物のように揺れた。
そして、上着の前着頃をそっと捲ってみる。艶やかな裏地が室内灯の光を受けて輝く。それだけで私はもうドキドキだ。「可哀想」と「興奮」がほぼ同時に起こり、並行して持続しているようだった。
女性の肌を直に包んでいる白いブラウスは、しなやかな生地だ。
真新しい布のハリはすでにないが、丁寧にメンテされているのだろう、しゃきっとしていて威厳のようなものが感じられる。
ブラウスを捲るとスカートがあった。
前の部分を上から下へ撫でてみる。女性の下半身を包まされているスカートは、過酷な環境で使われる衣類だ。このスカートも随分といろいろなことに耐えているのだろう。そう思いながら、スカートの裾を捲ってみる。ポリエステルの裏地が付いている。尻に敷かれる側の生地を見ると、縦横に細かなシワが無数についている。
かわいそうに、このスカートもさんざん尻に敷かれているんだな。
私は思わず、その裏地にキスをしてしまった。
そのとき、人が近づいている気配がし、制服との逢瀬はそれで中断した。
その日以降、姉が制服を着ている姿を見ると、もう他人ではないような気がしてソワソワする自分がいた。
不思議なことに、彼女は大学を卒業すると、大学時代の制服を私のところへ持ってきて、私に記念にあげると言ったのだ。高校時代の制服ももらっているし、もしかして、大学の制服姿をガン見していたことやスカートにキスしたことなども、すべてお見通しだったのだろうか?
結局、「もらってくれないと捨てる」と脅され、引き取ることになった。彼女の意図するところは今もって不明だが、私の手元に残った制服たちはこれで幸せだったのだろうか?
画像:ラクマ PACO
私は幼少期より女子の制服などを可哀想に思い始め、異常とも言える関心を抱いてきた。小学校上級生になると、授業中に女子制服を観ながら自慰行為をしていたし、中学でも高校でも、昼間見た女子たちの制服姿を思い出したり、集合写真を見たりしながら、制服を哀れみつつ擦っていた。大学進学以降も、女性衣類への関心は高まるばかりだった。
就学当時、子供向けの漫画雑誌や学習雑誌には性に関する悩み相談も載ってはいたが、うぶな初恋の悩みとか、陰毛や射精のことなど基本的な話しか出ておらず、「女子の制服が可哀想で勃起します。どうしてなんでしょう?」なんていう質問は見たことがなかった。
ニュースではたまに下着泥棒が報じられていたり、雑誌でも下着や水着のエロ写真があったりしたが、制服に関するものはあまり記憶にない。
女性衣類の話題が出ても、スカートを捲ってパンティを見ることやブラウスを脱がして胸を見たいという話ばかりだ。世の男性は下着や裸には興味があっても、それ以外には関心がないんだなという思いが募っていった。下着も衣類なのだが、不思議にも、私は下着にはすぐに反応した覚えがない。
「私のような感情を持っている人間は自分だけなんだ」という意識は、日ごとに強くなり、同時に、「これほど苦しんでいる女性衣類たちを、みんなどうして可哀想だと思わないんだ?」という怒りに似た気持ちも膨らんでいくのだった。
今でこそ、小学生も学校でパソコンを触るが、私がインターネットに直接触れるようになったのは、社会人になってからだ。
多くの皆さまも同じだと思うが、世の中に女性衣類に異常なほど強い関心を抱く同類がいるのを、私もインターネットを通じて確認することになるのだが、私の場合は、それより早くブルセラショップとの出会いがあった。
前置きが長くなった。
立ち読みした雑誌にブルセラショップが紹介されていて、女子が使い古した制服を売りに出しているという。セーラー服などの制服がずらりと並ぶ店内の写真も載っていた。記事を読むと、明らかに制服に関心のある男性向けのものと知る。それは衝撃的だった。私はその雑誌を購入して、紹介記事を何度も何度も読み返しては、制服が可哀想だ!と叫んで勃起した。
ブルセラショップとの出会いは、私以外にも制服などの女性衣類に関心を寄せる人がいることを認識できた瞬間だった。
だが、悲しいことに、そこには制服に対する憐みの感情はないように思えた。在学中に女子生徒に奉仕させられてきた制服たちは、どれも心身ともに疲弊している。そんな制服たちが店頭で、無機質に、かつ事務的に売られている。客は、制服の向こう側にいる女子のことを想い購入する。制服への気遣いやいたわりの気持ちは微塵も感じられなかった。
その後、ブルセラショップには頻繁に通うようになるが、そこにはいつも絶望した制服たちがいた。もう2度と元の学校へは戻れないのだ。それどころか、客に買われたら最後、ほぼ確実にいやらしい行為にさらされる。私はブルセラショップに通うたびに、すべての制服たちを助けてやりたい衝動に駆られた。もちろん、経済的な理由でそれは叶わず、見殺しにするしかなかった。可哀想な制服たちを眺めながら、私にできることは憐みの感情を伝え、勃起することだけだった。ブルセラショップの詳細については別ページ<アダルト(R-18)>-入手方法にて紹介することにする。
自宅でパソコンが使えるようになると、インターネットで、男性愛好家による制服などのサイトや投稿をちらほら見るようになる。制服以外にも、さまざまな女性衣類に対して、特別な感情を持っている人が大勢いることに驚く。その種類もバリエーションも幅広く奥が深い。
衝撃を受けたのは、セーラー服をトイレにぶち込んだり、ドロドロにしたり、切り裂いたりした画像を見つけたときだ。セーラー服には何の罪もないのに、散々な目に遭わされている。これ以上ないと思えるぐらい酷い凌辱で、あらゆる尊厳が踏みにじられていた。
「なんと酷いことをするんだ!」と画像に向かって叫びながら、自宅でセーラー服を股間に当てがって激しく擦る自分がいた。「可哀想に、可哀想に!」と言いながらの自慰行為だが、自分の股間に押し当てられているセーラー服のことはそっちのけだ。これは大いに矛盾しているのだが、当時はなぜか疑問に思うことなく、こうした行為は続けられた。
人生の中で、インターネットというツールが普及したことは、私にとって幸運であった。各サイトのBBS(電子掲示板)閲覧や交流を通じて、女性衣類に対して特別な感情を持っている人が大勢いることを確認できたからだ。そのなかに私と同じく、女性衣類を可哀想だと感じる人がいると知ったときの驚きと喜びは大きかった。もっとも、可哀想だと言いながら、その虐待凌辱ぶりは様々で、必ずしも私と全く同じ内容の感情ではないかもしれないと思いながらも、少なくとも女性衣類を単なる「物」扱いしていないという点で共感できる。
幼少期から女性衣類に異常とも言える関心を示し、こんな人間は自分だけだと悩んでいた私にとって、これはまさに福音であった。
しかしまた同時に、インターネット上で、理不尽とも言える凌辱を受けている衣類たちを多数、見ることになる。
スカートを穿いて自らのイチモツを包んだり、セーラー服の色が変わるほど何度もぶっ掛けたり、穴を開けたり、燃やしたりと想像以上の虐待ぶりだ。
衣類を女性に着せたままドロドロにしたり、切り裂いたりという行為は、今までもエロ本やアダルトビデオで見たことがあったが、それらが一般人によって日常的に行われているという事実にショックを受けた。
かくいう私も、これまで様々な女性衣類を入手(=救出)し、その中のいくつかには自慰行為の手伝いをさせ、処刑と称して切り裂いたり捨てたりしてきたし、女性に着せてベッドで楽しんだこともある。だから、やっていることは大差がないのだ。なんだか、すごく矛盾を感じるが、なぜかこの点で大きく悩んだことはない。
言い訳すれば、私の手元にある衣類たちのうち、自慰行為や虐待を受けているのは1%にも満たない。それ以外のものはすべて大切に保管している。だから、少なくとも、私の手元にいる衣類たちは、女性のぞんざいな扱いや男性の虐待から救出したのだから、それでいいのだ、と考えるしかない。
仕事の都合で、某県の中規模の地方都市に住んでいたことがある。そこにはリサイクルショップがいくつも点在していて、休みの日には車でハシゴするのが楽しみだった。衣類専門のリサイクルショップも複数あったが、掘り出し物に巡り合えるのは、中古品なら何でも揃えている店で、その一角に衣類も置いているところだ。店にも個性があって、申し訳程度に片隅に積み上げているところがあれば、きちんとしたコーナーを設けているところもあった。そういう店は、どこも店内スペースを有効利用するため、ギチギチに吊るしていたり、ぎゅうぎゅうに箱に押し込んだりしていた。
程度の差はあるが、そんな衣類コーナーへ行くと、生地の匂いと埃の匂いが混じったような独特の香りがした。変な臭いではないが、心地よい香りでもない。そんな場所に、女性に見捨てられた衣類たちがひしめき合っている。主には私服で、ドレスや和服も交じっていることがある。普通の人がみたら、「汚らしい」の一言で終わるが、私はできる限り、ひとつひとつ吟味していく。
焼却場行きを免れて集められた衣類たちだが、元の持ち主に見放されたことに変わりはない。哀れなものたちだ。そう思うと、ひとつひとつの衣類の声に耳を傾け、今までの苦労話を聞いてみたくなるのだ。
コーナーらしきところには、いちおうトルソーが置いてあって、パーティドレスが着付けされている。背中のジッパーは下がったままだ。惨めなので上まで上げてやる。
時代遅れのバブリースーツも、元は何万円もしたであろう高級ブランドブラウスも、レトロな和服もみな一緒くたにされて、狭い空間に押し込まれている。ゴミ扱いだ。そういう光景を目の当たりにした瞬間、私の「可哀想センサー(衣類の叫びセンサー)」が反応し、股間へ電気が走る。衣類たちが叫んでいるようだ。引っ張り出してみると、みなシワだらけで苦しそうだ。
床に清楚なワンピースが落ちていたが、誰にも見向きもされなかったのか、紺色のボディに白い靴跡が付いている。私も構わず、それを踏みしめて奥へ進む。ワンピースの哀れな様子に、股間がさらにうずき始める。
埃っぽい棚の上には、ホワイトウエディングドレスが無造作に載せられている。ちょっと引っ張ってみると、真っ白だったはずの自慢のブライダルサテンも、薄汚れて黒ずんでいる。
ジャングルのなかを掻き分け掻き分け進む気分だ。
きちんとしたフォーマルウエアがある。こぎれいなコートがある。フェミニンなスカートがある。女性衣類なら何でもある。でも、みなどこかデザインが古い。着用前提の販売ではないのだ。もし着用されるとすれば、それこそ私が新品購入に言い訳として使っていた「演劇の衣装」しかないだろう。皮肉なもので、これらの衣類を私が買うのに、もはや言い訳は要らない。
私は、着物に関する検定試験を受けるほどの和服好きで、一時期はかなりの数の和服や和装品を買い集めていた。アンティーク着物から中古着物まで各種を守備範囲とし、さまざまなチャンネルを駆使してきた。
そんな中で、よく通った店のひとつがリサイクルショップである。それも、衣類や和服専門ではなく、なんでも屋で「衣類も片手間にやってますよ」的な店だった。思い出すのは、地方都市に居たころ、車で少しばかり遠出した場所にあるバカでかい店だ。店というより倉庫といった感じで、ちょっとした学校の体育館よりも広かった。その中に家具やら電化製品やら食器やら文房具やらなんでも売られていて、ずっと奥に着物のコーナーがあった。きちんと畳が敷かれていて、構えは呉服屋を気取っていたが、置いてある着物たちは、ほとんどが畳紙(たとうがみ=和服を畳んで入れる正式な包み紙)にも入れてもらえず、片隅に山と積まれていたり、棚に押し込まれていたりする。
その売り場には、担当の女性が二人いて、ひとりはやや年配、もうひとりは若い人で、何度も通ううちに二人とも仲良くなってしまった。最初は一言二言あいさつ程度に会話し、「言い訳」もなく着物を買って帰ったが、そのうち「お好きなんですか」と聞かれ、またぞろ「演劇の衣装に使う」という言い訳が活躍することになった。
何度も通っているので、「私が求めている衣装」を一緒に探してコーディネートしてあげましょうというような話になったり、次の舞台はどんな内容なのかという話になったりと、だんだん混み入ってくるようになる。私としては、目の前にあるものを適当に物色して、心に響いたものを救出して帰りたいだけなのだが、そうもいかなくなった。
通うのをやめればいいだけの話だが、その店は頻繁に新規の入荷があって、品ぞろえもよく、当たりが多い。そのうえ単価も安く、知り合いになったので割引も大きくなっている。もう中毒のように頻繁に通うようになっていった。
めぼしいものが無く、ほとんど手ぶらで帰ろうとした日、「新しく入荷したら、連絡あげますよ」と言われ、目がくらんだ私は、名前は仮名で携帯電話の番号を教えた。
その後も店には相当お世話になった。入荷時に和服を包んでいた畳紙のうち、きれいなものを何枚もタダでもらったりもした。お礼に店の和服を正しい畳み方で畳んであげたり、整理整頓してあげたりもした。あの店から購入した様々な種類の着物や長じゅばん、帯などは、今もほとんど手元に残っていて、静かに余生を過ごしている。中にはかなり年代物の着物もあるが、みな状態はとても良い。
良い店だったが、唯ひとつ許せなかったのは、着物コーナーの隣にあった家具コーナーで可愛らしい帯が置物の下敷きにされていたことだ。重そうな置物の下で苦しそうにしている帯が哀れで堪らなかった。それが3‐4カ所あったのだ。いつか言おうと思っていたが、結局どれも救出できずに終わってしまったのが心残りである。
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最終更新日:2024年11月16日
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