新型コロナウイルス関連

<制服の出番>

コロナ対策のため、「登校するときは私服で来てください」という学校があるという。制服は毎日洗えないので、感染予防対策として、清潔を保てる私服を着ようということらしい。確かに冬服なんかは毎日洗うわけにはいかない。かくして、せっかくの制服も、授業が始まってもクローゼットに押し込まれたままだ。

制服の扱いは学校によってさまざまで、不思議なことだが、制服着用は毎週月曜日のみというところもある。週1日だったら、そのまま吊るしておけばウイルスも無くなるということなのだろうか?

このような風潮の中で、気軽に丸洗いができる制服が注目されているようだ。しかし、いかに丸洗い可能だとは言っても、何度も何度もTシャツのようにじゃぶじゃぶ洗われては、制服の傷みも早くなるだろう。

また、これをきっかけに、2021年度入学生から制服を廃止することにした学校もある。もともと廃止の機運があったのだろうと思うが、制服が廃止になると、先輩たちの制服のお下がりの道が閉ざされることになるわけで、卒業したら再利用されることなくポイとなる。

興味深いのは、在宅でオンライン授業を行っていた時期に、自宅にいるにもかかわらず、オンラインで参加するときは制服着用を義務としていた学校があったことだ。これには賛否両論分かれたらしいが、制服があるのに、着られる機会があるなら着てもらいたいと思う。そうでなくとも、特に新入生などは、制服を新調してから一度も活用できないままである。制服があまりにも不憫だ。


<イベントの中止>

コロナの影響で、イベントも軒並み中止になっている。

夏の高校野球甲子園の中止は、入場行進に参加するプラカード女子の夢を砕いた。炎天下にさらされることがなくなったジャンスカ制服はホッとしているのだろうか?

NHK音楽コンクールの中止では、晴れの舞台に立つ機会を奪った。ステージに上がるために、制服はきれいにクリーニングされるはずだったのに、今回は必要がない。

一般的な話だと、花火大会や夏祭りの中止で、浴衣の出番もない。年一回、あるかないかの着用の機会なのに、来年までクローゼットの中で眠るのか。

報道で伝えられるのは、参加予定者の苦悩だけ。その裏で衣類たちの悲喜こもごものドラマがあるのだ。


<衣類リサイクル業者の苦悩>

コロナの影響が古着にも出ている。テレビの報告によると、ある回収業者では古着の回収量が例年の25%増しになっているという。在宅者が多いせいで、大勢が宅内を片付けはじめ、その結果、不要品とされた衣類たちが放出されたのだという。さらに業者を悩ませるのは、輸出先のマレーシアが引き取りを停止していて、古着の在庫は溜まる一方らしい。

テレビの映像では、大きな透明ゴミ袋にパンパンに詰め込まれた衣類が、倉庫に山積みになっている様子が映っていた。さらに、到着したばかりの袋がトラックから手作業で投げ出されていた。衣類の山に放り出された袋はドスンドスンと音を立てている。塊ではあるが、跳ねる様子は衣類を思わせる。

突然、真っ赤な光沢のある女性用のダウンコートが映し出された。袋から漏れ出したのだろうか、山のふもとに情けない姿で広がっていた。できることなら助け出してやりたいが、どうすることもできない。こういう瞬間が、不謹慎にも最も興奮につながってしまう。


<2020年度入学式中止>

画像:ラクマp

新型コロナウイルス感染予防対策で、学校行事や授業が軒並み中止になっているが、特に可哀想なのが、制服のある大学である。

聖心女子大学には制服があり、在学中常時着用の義務はないが、新入生は入学式とその後の1か月間のオリエンテーション期間に着用することになっている。

ところが、2020年は入学式とその後の行事が中止となり、制服は一度も出番がないままである。もし、オリエンテーション期間がないまま卒業を迎えるとなると、皮肉にもかなり程度の良い中古制服が市場に出てくることになるだろう。



<テレビ会議>

 在宅でインターネットを通じて会議を行うケースが増えている。婦人服レンタル店でも、女性たちが上半身だけ着る衣類の需要が増えているという。つまりは、ボトムスがパジャマで、上だけがお洒落なブラウス姿というケースもあり得るわけだ。

 男性のほうも、もしかしたら、カメラに映らない下半身はパンツ1枚で、上だけきちんと着るという人もいるかもしれない。画面に映る憧れの女子社員の姿を見ながら、股間をまさぐる不埒な輩もいるだろう。

 誰もいない会社から女子社員の制服を拝借してきて、それを股間に押し当てながら、女子社員の顔を見て擦るなんて、本当に最低である。



<サテンマスク>

画像:ヤフオクsakurahirari103

 世間のニーズに応じて、様々なマスクが登場しているが、フェチが喜びそうなサテン生地のマスクもお目見えしているようだ。可憐なワンピースやお洒落なブラウスに作ってもらえたかもしれないサテン生地が、マスクにされてしまうのは幸せなのかどうなのかよく分からない。

 裁縫技術のあるフェチは、手持ちの制服のブラウスやスカーフをリメイクしてみては如何だろうか。私なら、冬服の表地と裏地を使って作ってみたい。もちろん、すべすべ裏地を口元に当たるようにする。



<テレワークの陰で>

画像:photoAC藤井志紀

 新型コロナウイルス感染予防対策でテレワークが推奨されている。制服着用で仕事をしていた女性たちは出社することがなく、制服はロッカーに放置されたままだ。

 制服にしてみれば、毎日のように働かされていたのに、突然狭いロッカーに閉じ込められて何日も経つ。いったいどうしたことかと訝っている。つかの間の休息としてホッと一息ついているか、あるいはこのまま処分されてしまうのか気が気でないか、どっちだろう。

 1か月以上も放置状態が続くとなると、心配するのはクリーニングである。真新しい制服ならばまだしも、クリーニングする時期を迎えていてそれを逸してしまっているものがあるとしたら、カビが生えてこないとも限らない。特に肌に密着するブラウスやスカートは大丈夫だろうか。



<営業自粛の功罪>

 新型コロナウイルス感染予防対策のため、性風俗店も営業自粛を迫られている。そんな中で、本物の学校制服を着てサービスしてくれるイメクラコスプレ専門の風俗店のことを思う。

 女の子が着る衣装はすべて、実際に女子中高生たちが着用して通学していた本物が使われている。元の女子中高生たちに手放された制服は、学校とは無関係の女性たちに袖を通され、見知らぬ男性たちの腕に抱かれ、揉みしだかれ、卑猥な凌辱を受け、痛めつけられ汚されていく。制服たちは女子中高生に着られていたころ、酷使されるつらい日々を送っていたはずだが、それが今となっては平和な時期だったと思い知る。

 しかし今、店舗の営業自粛で、衣裳部屋にずらりと吊るされたままとなっている。制服たちにとってはつかの間の休息なのだろうか。でも、女子高生のクローゼットとは意味が違う。めでたくコロナ惨禍が過ぎ去ったら、また非日常の中で働かされる日々が始まるのであろう。痛めつけられて再起不能となって処分されるまで、それは続く。



<外出自粛の裏で>

画像:ヤフオク yoookiyuki

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、緊急事態宣言などにより外出を自粛せざるを得ない状況下、自宅内を整理しようという声が聞かれる。そして、衣類たちは断捨離の犠牲となる。長い間箪笥の肥やしだった私服やフォーマルドレス、スーツ類は候補になろう。特に今の時期は、先月まで使っていた学校制服なども処分されていく。

 燃えるゴミに出されると、高温の焼却炉で溶けるように一瞬にしてなくなってしまう。衣類ごみとして出されても、八つ裂きにされるだけだ。ネットオークションやネットフリマに出されると、運が悪ければ、フェチに捕まり地獄を見る。着用目的で女性に買われたとしても、それが幸せかどうかはわからない。

 新型コロナウイルスは、衣類たちをも震え上がらせている。



<新型コロナウイルスの影響>

 新型コロナウイルスのせいで、衣類たちも被害を被っている。咳をするときは袖で口を覆ってくださいとのこと。袖を汚さないようにしっかりとマスクをしてもらいたい。

 また、学校が突然閉鎖されてしまい、制服の出番がなくなってしまった。特に最終学年の制服は、ほとんどいきなり寿命を縮められてしまったわけだ。辛うじて卒業式を迎えるも、短時間で切り上げられておしまい。哀れな運命だ。