民族衣装 ‐ 欧州


ディアンドル (Dirndl)

ドイツ、スイス、オーストリアなどのゲルマン系の民族衣装である。

基本的には、着丈の短いブラウスに、フレア形のジャンパースカートを着用し、スカート部の上にエプロンを着ける。ジャンパースカートの代わりに、ボディスと呼ばれるベスト状の胴衣とスカートを合わせることもある。

 

素材の代表的なものは次の通りだが、ジャンパースカートはドライクリーニングオンリーのものもある。

・ブラウス(Dirndlbluse)・・・ポリエステル65%綿35%、

・ジャンパースカート・・・上身頃の表地(Oberteil):ポリエステル、裏地(Oberteilfutter):ポリエステルと木綿の混紡、スカートの表地(Rock):ポリエステル、裏地:なし、

(装飾などに金糸銀糸などの金属糸が使われることもある)

・エプロン(Schürze)・・・ポリエステルまたはポリエステルサテンまたは木綿

 

ブラウスは前ボタンで着脱するもののほか、被り形式のものもある。被り形式のブラウスはアンダーバストがゴムで締まるようになっている。バストを包み込むような形状だが、襟元がバストまで大きく開いているものは、大きな胸をことさら強調する。もちろん、胸元を大きく開けないブラウスも存在する。

ジャンパースカートの胸元は紐やリボンで編み上げるデザインが多いが、単なる飾りで実際の着脱は胸元や左脇のジッパーによるものも少なくない。胸元が開いたデザインなので、ブラウス共との組み合わせによっては、胸の大きさと形をいっそう強調することになる。

エプロンは共布のベルト状のものが縫い付けてあり、それをウエストで結ぶ。エプロンについては、フェミニンなイメージを出すためか、サテン生地など光沢があるものが好まれるようである。

 

日本では、オクトーバーフェストなどで有名な衣装だ。またこれらを真似たデザインを、飲食店などの制服やイベント衣装に採用する例も多い。(ex.神戸屋レストラン、アンナミラーズ、ワイン娘)

また、日本人が現地に旅行で行ったときなどに、勢いに任せて購入してしまうことも多いようだ。ネットフリマなどでは「1回のみ着用」などの説明が付いた、現地製のディアンドルの出品が散見される。わざわざ遠く日本まで連れて来られたのに、全く活躍の場がないとは不幸な衣装たちである。

 

<メーカー>(メーカーサイトへリンクします)

Marjo

COUNTRY LINE

 

<海外編>-ディアンドル

画像:Ruth Hofmann

画像:weekend.at



ディアンドル1

現地での価格はピンキリで、重厚な生地や豪華な刺繍が入ったものなどは、かなりの値段になる。中古市場も存在している。

日本では、ネット市場などで個人が海外で購入して、持ち帰ったものが販売されていることがある。

スカートの上に着けるエプロンは、つるつるのサテン生地のものが個人的には好ましいが、着ている女の子たちは大切にしている風でもなく、自由奔放に動き回る。



ディアンドル2

↓ブラウス、ジャンパースカート、エプロンの3点セットが基本である。女の子たちは色柄のコーデに工夫を凝らす。

海外の専門店では、それぞれのアイテムが別売りされていて、好みの組み合わせで購入できる。

↓ジャンパースカートはフレアのスカートに、アンダーバストを紐でぎゅっと縛るタイプが主流である。ウエストを細く見せると、少々小さめの胸も強調される。


↓ブラウスは半袖が多く、着丈はかなり短い。エプロンは生地たっぷりで、ウエストを共布リボンベルトで締める。

↓ジャンスカは、上身頃のみに裏地が付いている場合が多い。裏地はほとんどがポリエステルと木綿の混紡である。

画像:メルカリCHI-10,000



ディアンドル3(COUNTRY LINE)

COUNTRY LINE(カントリーライン)はドイツの有名なディアンドルメーカーのひとつだ。

↓ジャンパースカート、ブラウス、エプロンのディアンドルの典型的な3点セット。

ジャンスカとエプロンの色柄がコーディネートされている。

個人的には、このような光沢の強いエプロンが好ましい。

↓エプロンを外した状態。スカート部はウエストにタックが入っていて、大きく広がる。

裾まわりにはサテンのテープが付いていて、可愛らしい。


↓胸元には青と銀色のリボンテープが編み上げられているが、単なる飾りで、着脱は脇のジッパーで行う。

↓ジャンスカに付いているCOUNTRY LINEのタグ。34はヨーロッパに多いサイズ表記で、日本だとSに相当する。

上身頃にのみ裏地がある。


↓ジャンスカの上身頃には金属糸でチェックが織り込まれていて、上品かつ堅牢な造りになっている。さげりげないハートの刺繍もおしゃれ。

↓エプロンはつるつるのポリエステルサテン生地で、しなやかな手触りだ。


↓エプロンの裏側の腰あたりに、ジャンスカとつなぐボタンホールがある。これで留めておくとエプロンがずれない。

↓素材表示タグによると、ジャンスカのスカート部とエプロンはポリエステル100%。

ジャンスカの上身頃は、ポリエステル73%と金属糸27%の混紡で、上身頃の裏地はポリエステル50%と綿50%の混紡である。


↓ブラウスは被りタイプで、アンダーバストにゴムが入っている。

↓ブラウスのメーカータグ。サイズ32は日本のXS相当(Sよりさらに小さい)だ。




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