アオザイ (Áo dài)

概要

ベトナムのアオザイは、日常的に着用されている民族衣装だ。チャイナドレスに似たワンピース状の上衣にクワンというパンツ(ズボン)を穿くスタイルで、生地質は様々であるが、シルク製または化学繊維製のサテン生地が最も優美に見えるように思う。

サテン生地のものは、チャイナドレスに比べてよりいっそうしなやかで、か弱いものが多い。また、下にパンツを穿くので、スリットがチャイナドレスよりはるかに長く、おなかの辺りまで切れ込んでいる。なので、裾が大きく捲れるとおなかが見えたりする。

両サイドに長いスリットのおかげで、歩くたびに大きく揺れたり、風になびいたりする様子が優雅である。また、椅子に腰掛ける場合は、後ろに垂れた部分をたくし上げて、膝の上に載せる風習がある。

上下とも裏地は付いていないのがふつう。

 

ベトナムでは、私服のほか、ホテルのフロントはじめ、店舗の接客要員も制服としてアオザイを着ていることがある。伝統的に白一色のアオザイ型の学校制服も存在している。またベトナム航空では、代々アオザイの制服を採用している。→航空会社-ベトナム航空

アオザイは、日本ではチャイナドレスほど知名度が無いようで、ネットでも中古品がチャイナドレスとして出品されるものも散見される。

画像:ヤフオク sweet_milk

アオザイは薄手な生地が多く、サテンのつるつるした生地も多用されるが、しなやかな手触りだ。基本的に上下ともに裏地は付けない。



チャイナドレスに似た強い光沢のサテン生地のものは、日常着というよりはフォーマルな場に出るときに好まれる。


画像:ラクマゆきこ-5,000



女子学生制服

画像:Japanese.CHINA.org

上下真っ白なアオザイは、ベトナムの女子学生の象徴である。我々日本人がセーラー服を見たら欲情するように、ベトナムの人もこのような白いアオザイを見たら、女子学生を思い出して欲情するはずである。



世界中どこでもサテン生地フェチというものが存在しており、日本のみならず、このような強い光沢のあるアオザイは人気がある。一見するとチャイナドレスに似たシルエットであるが、ベトナムの人たちは「あんなものと一緒にするな。アオザイのほうがあるかに上品で優雅だ」と主張する。


画像:ヤフオクzeonicdesign



チャイナドレスとしての出品

メルカリで「チャイナドレス」として出品されていたアオザイ一式、送料込み600円。

左右のスリットの長さと、クワン(パンツ)の有無で判断できるのだが、民族衣装に興味がない人にとっては見分けがつかないようだ。たしかに、チャイナドレスとアオザイは形状が似ているので無理もない。

 

↓メルカリの商品説明↓

「中国のおみやげにもらったものです。

未使用ですが試着は一回したような気がします。使う機会ないので出品します。自宅保存でたたんでたのでシワがついたままです。発送のときに折りたたんで送るのでまたシワはつくと思いますのでそのまま送ります。159センチ44キロくらいでピッタリだった気がします。わりと細めだと思います。下にはくズボンの白いのがセットでついてます。」


画像:メルカリ れなな



ベトナム舞踊

アオザイの特徴的な長い裾が翻る様子が実に優雅で美しい。

気になるのは、その裾がたびたび地面に触れていることだ。汚れはかなりひどくなるに違いない。