校章/刺繍/エンブレム

校章・学年章バッジ(徽章/記章)

学校を示す印として様々なものがあるが、主なものとしては校章をかたどったバッジである。形は多岐にわたるが、夏服・冬服を問わず、制服に付けることが義務化されている。

校章の他、学年章、生徒会役員章、部活章などのバッジがある。

装着場所としては、ブレザーは襟に、セーラー服では襟か胸ポケットに付けることが多い。

中学校では、名札プレートの布に学年章とともに装着することもある。

留め方は、以前は安全ピンに似た形状の「管(くだ)ピン」タイプが多かった。管ピンはバッジを留めた後も針先が露出していて、安全性はかなり低く、留めにくいこともあり、近年では、留め具は「タイタック式」と呼ばれるものが主流である。バッジに付いている針を布地に突き刺して、裏でキャッチを嵌め込む仕様である。

昔は同じようなタイプとして、ねじ式のものもあったが、制服の生地に着用者自身が穴を開けねばならないこともあった。現在では、襟のフラワーホールに装着するか、あらかじめバッジ用の穴が用意されている。ネジ式はときどき点検しないと、メスのキャッチを紛失しがちである。

また、これら以外の校章バッジとして、聖カタリナのようにピンバッジ式のものもある。

校章や徽章類には専門のマニアやコレクターがいて、ネット上でも盛んに取引されている。

↓大阪薫英女子短期大学

(タイタック式)

タイタック式か管ピン式かは一見すると外からは分かりにくい。

均等に生地に密着しているほうがタイタック式だ。

↓豊中高校

(管ピン式)

生地に対して斜めに盛り上がっているのが管ピン式だ。ピン先が保護されていないので、安易に摘まむと痛い思いをする。

聖カタリナ学園

(ピンバッジ式)

画像:学生服コレクション

http://seifuku-kaitori.com/pecori.jp/?p=641


2022/01/11 ななみ様より投稿

校章によく使われる、

「先端が針になっている一本の長い針金を、折り曲げて生地に刺せるようにした留め具」を、

管ピン」(読みは「クダピン」)と言います。

安全ピン」は、管ピンの針が露出しないよう、金属のカバーを付けて、安全にしたものを指しますが、バッジに直接ろう付けされたものは、あまり見かけません。

また、安全ピンの金属のカバーの部分に、ピンをロックする回転機構が備わっている留め具を

ブローチピン」といい、私立の学校の徽章で頻繁に使われます。

他に、ネジ式のバッジを留める際に使われる、フェルトやビニル製の小片を「バッジマット」といい、公立の中学校で広く採用されています。

(うら爺コメント:貴重な訂正情報をいただいたので、冒頭の生地の一部をありがたく修正させていただいた。「安全ピン」と「管ピン」を混同していたようである。「ブローチピン」は確かによく見かける形状で、ピンが外れないようにロックするものであろう。ご丁寧に画像もいくつかいただいたが、手持ちの画像からいくつかの例を載せておく。)

↑画像の上が武庫川女子大学の現在の校章で、タイタック式のキャッチを外したところである。

下ふたつは、左の菱形が聖心女子大学、右が武庫川女子大学の旧校章で、いずれも管ピン式だ。

↑某中学校制服の胸ポケットに付けられた名札/校章/学年章のセットだが、黒いバッジマットにまとめられている。校章と学年章はネジ式だ。

バッジマットの利点は、登下校の際などにくるっと反転させて胸ポケットに隠してしまえることにある。個人情報保護にうるさい昨今では当たり前の発想だろうが、名札などをマットに付けるという仕組みはかなり以前から存在していた。



武庫川女子大学附属中学校高等学校で、セーラー服のスカーフを留めるブローチは、安全ピン式になっている。

↑セーラー服(冬服)を脱ぎ着するたびにスカーフ留めも付けたり外したりしなければならず、頻繁に触る必要があることから、安全性重視で安全ピン式を採用したのであろうか。



↑職業制服からの例として、化粧品メーカーのクリニークの美容部員が白衣スタイルの制服に装着しているバッジを紹介しよう。

↑左は「蝶タック式」といわれるもので、つまんでピンから外す。

右のCマークは「ワニぐち式」でネクタイピンと同じ形式だ。白衣制服の左胸に差し込んで留めている。




いわゆるフェチ的な面から考察すると、中古制服にバッジ類が付いていると「制服にリアルさが増す」として、歓迎される傾向にある。女子生徒が着用している制服には必ずバッジ類が付けられているのだから当然だ。

すっぴんの中古制服に、わざわざバッジ類の身を別に調達して付けるということもあろう。さすれば、あたかも女子生徒が脱ぎ捨てたばかりの制服、というようなイメージプレイも可能となる。


加古川東高校

(学年章がスカーフ留めに付いている。)

加古川氷丘中学校

(胸ポケットに学年・組章が付いている。)

嘉穂東高校

(胸ポケットに校章、襟に学年章が付いている。)



エンブレム

また、バッジ以外に学校を示すものとしてエンブレムがある。主には、ブレザーの胸ポケットの位置に装着される。まれに袖に付けられていることもある。

星美学園小学校

イートンの上着とジャンスカにエンブレムが縫い付けられている。



土佐女子 コート

襟に校章マークが縫い付けられている。


福岡精華女子

セーラー服型ブレザーにエンブレムが付いている。



中京大学附属中京

紺色ブレザーにエンブレム付き。フィギュアスケートの浅田真央や村上佳菜子らが着用した制服と同型である。ブレザーの裏地は背抜きだ。



聖母被昇天学院小学校

赤いブレザーにエンブレム付き。ブラウスには長袖・半袖共に袖に刺繍が入る。



刺繍

制服上衣やブラウスの胸ポケットや袖に、学校名が刺繍されているものがある。英文、和文様々であるが、イニシャルのみのものもある。イニシャルはセーラー服の胸当てなどにも見られる。

また、以前は、公立中学校を中心に、学校名と個人名を制服に直接刺繍していることがあったが、個人情報保護の観点から、近年ではあまり見られない。(台湾など他のアジア諸国でも多かったが、同じ理由で減少している。)

校内で着ることの多い体操服やジャージでは、学校名や氏名の刺繍はまだ多く見られるようだ。


宮ノ陣中学校

セーラー服上衣とジャンスカの胸に、学校名と苗字が刺繍されている。

おさがりで引き継がれにくい。



加古川東高校

セーラー服上衣の胸に学校名のイニシャルが刺繍されている。



岩手滝沢南中学校

セーラー服の胸当てと襟に「南」の文字が刺繍されている。



高知商業高校

スカーフ留めにイニシャルが刺繍されている。