小学校では、都市部であっても制服を指定していない学校も多いが、制服を指定している学校では、標準服または独自の制服を採用している。
色は、濃紺を中心に、茶色、青色、灰色などがあり、上着+スカートの組み合わせ、または上着+ジャンパースカートの組み合わせ、それ以外ではセーラー服が採用されている学校もある。
上着の場合は、襟のないイートン型が比較的多いように思える。前合わせはシングルまたはダブルの両方が存在する。標準服では、男女兼用に仕立てられたデザインが多く、前の合わせを右前(男子用)か左前(女子用)かによって区別される。なので、同じ制服でも、男子と女子交互におさがりで使われることもある。
素材はウール100%のものもあるが、家庭で丸洗いが可能なポリエステルか、ウールとポリエステルの混紡が中心である。
織りはサージもしくはカシドスの両方のタイプがある。カシドスのほうがテカリが目立ちやすい傾向にある。
子供の制服は汚れがひどくなりやすく、洗濯機に放り込まれてガンガン洗われてしまう。
冬服の裏地は総裏が一般的で、丈夫で通気性の良いメッシュタイプの生地が多い。
スカートは、プリーツスカートが多く、車ヒダの場合は10~20本ていどのプリーツ数である。ボックスプリーツやフレアのものもある。肩吊り紐(共布ベルト)が付いていることが多い。
ブラウスは白色がほとんどで、襟は丸襟が多いが、角襟も少なくない。
上着は4個ボタンダブルの標準服で、後ろ裾にシングルベント(スリット)がある。私が通った小学校の女子制服にも、こうしたベントがあり、女子が激しく動いたときにこれがちらりと捲れて裏地が見えていたのが印象的だ。後ろから近付いて、この部分を指でつまんだこともしばしばだった。
写真の制服スカートは16本の車ヒダで、肩紐が付いている。背中でクロスする様子が可愛い。上級生になると、子どもとはいえ、胸のふくらみが目立ってくる子もいて、肩紐が胸のあたりでピンと張っている様子に、私も幼心に興味を抱いたものだ。
昔の制服は、小学生のものでも表地ウール100%でずっしりと重いものがふつうで、裏地もレーヨンや上質のポリエステルなど婦人服と同じ生地が張ってあったので、それなりに観る楽しみがあったものだ。最近のものは、軽量で着心地の良さ、そしてメンテの手軽さを追求するあまりか、少々安っぽく感じてしまう。
画像:ヤフオクraiki2004-9,200
汎用標準服としてネットショップでも販売されている、小学生用制服。写真のものは税込み5,800円だ。もちろん左右両側にボタンがあって、男女兼用である。この商品の口コミ投稿に、親からのものと思われるものが画像入りで掲載されているが、サイトには娘さんの顔もモザイクなしで載っている。大丈夫なのだろうか。
それはさておき、小学生の制服は、重いランドセルのベルトの食い込みにも耐えなければならない。
使い込まれた上着はひじや背中を中心にテカテカになる。
私立校の制服は、デザインなどに工夫を凝らしたものが多いように思う。生地質も上質なものが使われる。
冬服は、1個ボタンの上着にジャンパースカート、白いブラウス。上着は総裏、ジャンスカは上身頃のみつるつる生地の裏地が付いている。
夏服はグレーのジャンパースカートに白いブラウス、紺色のカーディガンも用意されている。
小学生は、特に低学年で制服の扱いは雑になりがちで、スカートも気にせず、床を這うようにして掃除したりする。
小学生、特に低学年の女子たちは体重が軽いので、制服に対する圧力も大きくなく、短期間での摩耗やテカリの被害は比較的少ない。しかし、それが災いしてか、代々おさがりとして受け継がれていく確率が、中高生の制服に比べて圧倒的に高くなる。となると、何年もの長期にわたって酷使され、少しずつヘタっていくことになる。色んな性格の女子に着用され、日々生殺しにされるのである。
セーラー服にジャンパースカートというスタイル。赤いスカーフをつける。このセーラー服には襟裏にも裏地がある。ジャンスカは上身頃のみ裏地が付いている。ただ、この制服が着てもらえるのは通学の往復のみで、登校すると校内着に着替えられてしまう。ともに学校生活を過ごすことはできないのだ。
小学生の制服は冬服でも汚れを考慮して丸洗い可能なものが多く、洗濯機に放り込まれてジャブジャブ洗われてしまう。当然生地の傷みは激しい。
小学生の制服や私服によく見られるような気がするのだが、ブラウスや上着を干すときに、逆さ吊りにされているものがある。袖がだらりと下がって、実に苦しそうで哀れな光景だと思ってしまう。
小学生にとって制服は日常着であり、作業着同然である。それが汚れようが傷もうがまったくお構いなし。親に買ってもらった物だし、そもそも買ってくれたという意識すらないだろう。与えられたものだから着る。学校へ行くときに着る。それだけのことだ。制服は悲鳴を上げている。
学校制服は着方も雑なので、汚されやすい。特に小学生は、自分の衣類が汚れることを意識しないで行動するのでなおさらだ。小学生だけでなく、中高生も似たようなものだ。
汚そうと思わなくとも、ケガで血を流すこともあるし、セーラー服の襟周りは着用時間が長いと自然と汚れてくる。ひどい汚れは応急処置されることもあろうが、自然の汚れは放置され、冬服なんてクリーニングに出してもらえるのは数か月に一度ぐらいだろう。制服類はけっこう不潔なままキープされる。
それにしても、再起不能と思われるダメージでも、クリーニング店のプロにかかればかなりの程度にまで復活していただける。衣類たちにとっては頼れるドクターであり、救世主であろう。クリーニング店のサイトでは、Before-Afterの写真が載っているが、衣類たちの喜ぶ顔が見られ、歓声が聞こえるかのようである。
上着は、主に前身頃と袖が汚される。土汚れのほか、食べこぼしもある。
スカートは、所かまわず座ることによって、土汚れが付くことが多い。遊びなどに夢中になって、土や泥がべったりついていることに気が回らない。また、掃除のときに床に這いつくばったり、草むしりで地面にしゃがみ込んだりすると、スカートは酷く汚される。
それ以外に、食べこぼしも多いし、絵の具などのシミも付きやすい。
上着は中からの汗ジミ、襟周りの汚れなども大敵だ。セーラー服の白いラインも自然の汚れで黒ずんでくるが、それが当たり前と思うのか、ラインはなかなかキレイにされない。
平成28年12月以降生産分の衣類より、洗濯タグの表記が変更されている。
制服冬服は元来ドライクリーニングのみだったが、小中学校の制服を中心に、家庭で気軽に洗える素材が増えてきた。
新表記で、タライに40などの温度制限表示されているものならば洗濯機で洗うことができる。この場合でも、洗濯ネットに入れることが推奨される。
手洗い表示のものは洗濯機で洗ってはいけないが、制服の場合は、手洗い可のみならず、ドライオンリーであっても洗濯機に放り込まれることも少なくない。
→消費者庁(外部リンク)
袖付き襟なしの白衣タイプ(前ボタン留め)や袖付きの割烹着タイプ(後ろ共布ベルト締め)、袖なしエプロンタイプ、胸当て付きエプロンタイプなど種類がある。小学生には着脱がしやすい白衣タイプが多い。頭には給食帽または三角巾を着ける。基本的には男女兼用。
学校から貸与され、当番持ち回りで家庭で洗濯とアイロンがけされる。飲食物の汚れと着用の汚れにより、すぐに汚くなり、エプロンの疲弊ぶりは想像以上だ。また、児童が家庭に持ち帰っても、親に渡すのを忘れたりして、週末などそのまま数日放置されることもある。そうなると、ニオイもひどくなる。(体操服や水着も同じパターンで放置されるとニオイがひどい。)
那珂小学校の写真は、コロナ騒ぎで、学校職員がすべてのエプロン(割烹着)を洗濯したという話題に関するものである。一斉にきれいにしてもらって並ぶエプロンたちは、しばらくは休息をもらえる。互いに何を語っているのだろうか。
もともと日本独自の文化ともいえる、小学生の定番グッズ、ランドセルだが、昨今は欧米の成人の間で人気が出ているという。
日本では、小学校へ入学する未就学児が、ランドセルを背負うのを楽しみに1年生の春を待つ。最初は大きく見えたランドセルも、身体の成長とともに小さく見えるようになるから不思議だ。6年生にもなると、女子はもう大人に近い体形で、ランドセルを背負う姿もいささか滑稽に見えるときがある。
昔は、男子は黒いランドセル、女子は赤いランドセルというのが絶対だったが、現在は性差はなくなり、それどころか、ピンクや青、紫、茶色、そして柄入りなど様々なバリエーションがあり、逆に女子が黒色を選ぶということも当たり前のようになっている。
ランドセルは丈夫にできている。特に男子に使われるランドセルは悲惨な扱いを受けることが多いが、女子であっても、投げられたり尻に敷かれたり踏まれたりということは日常茶飯事だ。そんな過酷な日々を過ごしたランドセルは、また次の生徒におさがりで引き取られたりする。
でも、ボロボロにされて果てるまで使われるものもあるかと思えば、転校で移った先がランドセルを使わない学校だったりすると、ほとんど新品のまま処分されるものもある。
ランドセルはほとんどの自治体で「燃えるゴミ」に分類されている。ゴミ処分場へ送られると、高熱の火で一瞬にして灰となる。
最近では、卒業記念と称して、ランドセルに寄せ書きがされたりするらしいが、即再利用不可になってしまう。思い出の品として大切に保管される可能性も残るが、ランドセルはかなり嵩張るので、先まで保存されるか否かは難しいところだ。
さらに、男性フェチのあいだでは、ランドセル・ファンがいるらしいから、奥が深い。いったいどのようにして、興奮を得るのであろうか。
それにしても、燃えるゴミの日に、ランドセルがポツンと投げ出されているのは、なにか切ない。
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最終更新日:2024年11月16日
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