ジャンパースカート

ジャンパースカートは外見上はワンピースドレスに似ているが、大きな違いは、ワンピースドレスは素肌または下着の上に着用されるのに対して、ジャンパースカートはブラウスなどの衣類の上に着用されるものである。私服のほか制服としても多用されている。ジャンスカとも略される。

制服として使われる場合は、上着を脱いだ状態で春夏用の合服として使用されることも多く、下に着るブラウスは、気候によって長袖や半袖を使い分ける。合服用のほか盛夏用のものもある。

襟の形状やスカート部のデザインの違いにバリエーションがある。

襟の形状には主に箱型とV字型、および半円型があり、スカート部は一般のスカートと同じく、フレア、タイト、プリーツなどが存在する。学校制服では、24本~28本のヒダのものが多い。

着脱は被り型のほか、ジッパーやボタンによるものが多く、開閉は左脇、背中、胸元などで行う。学校制服では、左脇を開閉するものが主流である。

ウエスト部にベルトを装着するものもある。学校制服では共布ベルトを付けるものが大半だ。

裏地の有無にていては、肩から裾まで付いている総裏仕様のもののほか、上身頃のみや下身頃のみついているものもある。また、ウエストから上部の胸周りのみ裏地が付いていて、肩には表地と同じ生地が張られているものもあって、裏地の付き方は多彩である。学校制服では、上半身にのみ裏地が付いているものがほとんどである。

夏服仕様には裏地が省略されているものも存在する。 


私服ジャンパースカート

ホルターネック 前ボタン フレアジャンパースカート

ジャンスカはスカートの一種であることを再認識させてくれるデザイン。付いているボタンはすべて機能し、全部外せば一枚の布のようになる。

裏地は、総裏地でなければ、私服はスカート部のみ、制服は上身頃のみに付いている場合が多い。



グレースーツ(ボレロ+ジャンスカ)Hampstead

Hampsteadブランド。グレーのボレロと同色のフレアジャンスカを合わせたスーツで、私服おしゃれ着の一例。日向坂の「キュン」の制服のようだ。ジャンスカは総裏でボレロと同じキュプラ生地が裾までたっぷり使われている。

背中ジッパー仕様。




制服ジャンパースカート

企業(職業)制服には、ブラウス+ベスト+タイト系スカートという組み合わせが一般的だが、それに似た形状の制服として、ブラウス+ジャンスカのスタイルも散見される。

企業によっては、マタニティドレス型の制服として、ジャンスカタイプが用意されているところもある。

学校制服として着用される場合は、上着を脱いだ状態で、春夏用の合服として使用されることも多く、下のブラウスは長袖や半袖を着用して、気候によって調整する。

襟の形状やスカート部のデザインの違いにバリエーションがある。

襟の形状には主に箱型とV字型、および半円型があるり、スカート部は一般のスカートと同じく、フレア、タイト、プリーツなどが存在する。

着脱は被り型のほか、ジッパーやボタンによるものが多く、開閉は左脇、背中、胸元などで行う。

ウエスト部にベルトを装着するものもある。

裏地の有無にていては、肩から裾まで付いている総裏仕様のもののほか、上身頃のみや下身頃のみついているものもある。また、ウエストから上部の胸周りのみ裏地が付いていて、肩には表地と同じ生地が張られているものもあって、裏地の付き方は多彩である。

夏服仕様には裏地が省略されているものも存在する。 

 

<学校ジャンスカのスタイルと着脱方法>

様々なバリエーションがあるが、どの方法によるかによって、着装時のシルエットに影響する。

 

・被り型

着脱が容易であるが、身幅などに余裕を持たせなければならないので、着装時にダボっとした感じになり、スマートなシルエットにはならない。

 

・左肩スナップボタン+脇ジッパーまたはスナップボタン留め

最も一般的なタイプ。左肩スナップ留めがすべて外れるものと首側のみ外れるものがある。

共布ベルトを装着するものが多く、それによってウエストを絞ってスタイルよく見せることができる。

左肩のスナップボタンのホールド力が緩くなると、少し引っ張っただけで外れてしまう。

 

・背中ジッパー

ボディラインを最もよく反映させることができる仕様だが、着脱が容易ではない。

 

・前ボタン

着脱は容易だが、ボタンの種類や付き方によって、デザインセンスが問われる。

前ボタンがスナップボタンの場合もある。

 

・脇あき型

両脇が開いているので、被りタイプが主流。 

 

・取り外し可能型

上身頃(ベスト部)が取り外し可能になっているタイプ。ボタン留めが主流。

 


ブックス栗林 事務員・店員

書店店員の制服。胸元のボタンで着脱し、ベルトを付ける。長時間座って仕事をする職場ではないが、長年使われてきたせいか、お尻の部分にの裏地は座りジワやヨレがひどく付いている。




鹿児島高校 ボレロ併用

ジャンスカの襟の形状は箱型で、胸元にある4個ボタンで脱着する。スカート部は24本ヒダ。ウエストに共布のベルトを締める。

裏地は上身頃のみ。


泉州高校

背中ジッパー、ベルト有り仕様。

背中ジッパーは学校制服で散見されるが、着脱がしにくいので、生徒たちには不評のようである。



某公立高校

背中ジッパー、ベルトなし仕様。


制服の背中ジッパー仕様は着脱が容易ではないので、人気が無いらしい。そうでなくとも、ジャンパースカートは着心地がよくないとのことで、制服としての評判は芳しくないのが実情である。

上身頃とスカート部の引っ張りテンションが強く、裏地のウエスト部分がほつれることが多い。

また、乱暴な着脱を繰り返すと、ジッパーが破損することがある。制服のささやかな抵抗かもしれない。


大阪府立池田北高校 総裏地

ジャンスカは、背中ジッパーで、襟元がかなり詰まったデザイン。裏地は総裏仕様で、学校制服としては、スカート部まで裏地がついているのは珍しい部類に入る。


三重セントヨゼフ高校 カシュクール ボレロ併用

全身グリーンという珍しい色合いのボレロジャケットとジャンスカ。ジャンスカの前あわせはカシュクールで、スカート部はボックスプリーツ。



博多市立某中学校 セーラー服併用

セーラー服と併用されている例は、中学校を中心によくあるパターンである。

襟ぐりは半円型、ベルトなし仕様、24本ヒダ。

セーラー服と併用して着る冬場は、下着の上に重ねる。セーラー服とスカートだけを合わせるパターンより暖かいが、動きに制限が出ることもある。

春秋のシーズンは、ブラウスとあわせて合服として着用できる。



聖母被昇天学院小学校

小学校の制服に、ジャンスカを採用しているところは比較的多い。

被昇天学院は、小学生の可愛らしさを演出するためか、冬は真っ赤なブレザーに千鳥格子柄のジャンスカを着用する。裏地は上身頃のみ。夏は吊り紐がやや太めだが、ジャンスカではない。



大分大学附属小学校

小学校でセーラー服と併用される例。

ジャンスカじたいは一般的な形状で、肩と左わきをスナップボタンで留める。



福岡精華女子高校 脇オープン

冬服の上着がセーラー襟付きのブレザータイプで、ブレザーであるにもかかわらず、セーラー服のように教室など人前で脱ぐことはない。したがって、ブラウスとは併用されないジャンスカである。このジャンスカは、両脇オープンタイプで、肩から裾まで裏地が付いている。

ちなみに夏服は半袖セーラー服が採用されていて、スカートには白いベストが付いている。ベストは取り外しができず、ジャンパースカート型である。




 

同校制服は2019年度入学生よりマイナーチェンジされ、着心地がよくなり、お手入れも簡単になったという記事が公式サイトにある。担当はAkashi S.U.C.(明石被服興業)である。きっかけは2019年に110周年という節目を迎えたことによる。主な変更点は、機能性の高い最新素材を採用し、シルエットにも手を加え、手入れも手軽にできるようにしたらしい。一見わかりにくいかもしれないが、最大の変更点は冬服のジャンパースカートのチェック型パターンで、キンロック・アンダーソン社認定のタータンチェックに、スクールカラーの緑色を織り込んだオリジナルデザインだという。

↓マイナーチェンジされたタータンチェック柄。

以上のようにたいへん個性的なデザインの制服だが、残念ながら、令和5(2023)年度入学生より、制服がフルモデルチェンジして、ありふれたブレザータイプとなった。

公式サイト

まったく、最近の学校は似たようなブレザータイプの制服が多くなり、一見したところでは学校名の判別が難しくなってしまった。


和歌山信愛女学院 カシュクール 脇オープン

ボレロジャケットに両脇オープンのジャンスカ。胸の前あわせはカシュクールのデザイン。

信愛女学院は全国に姉妹校があるが、熊本など一部の例外を除いて、同じ制服を採用している。

私の高校はノーマルなタイプのジャンスカだったせいもあって、初めて間近でこのタイプのジャンスカを見たときは、その艶めかしいデザインに見惚れたものである。



脇オープン ベスト取り外し可タイプ

一見すると、信愛女学院のように両脇オープンのデザインだが、上身頃のベスト部分はスカート部とボタン留めで繋がっていて、取り外せるようになっている。裏地は上身頃(ベスト部分)のみ。



南山高等学校・中学校女子部 フレア

イートン型の上着に、スカート部がプリーツのないフレア型のジャンスカを着用する。フレアタイプのジャンスカを採用する学校は珍しい。

襟の形状は五角形。ウエストに、バックルのない共布ベルトを縛るようにして締めるのも特徴的だ。



福岡県立戸畑高校 フレア

スカート部にプリーツがないフレアタイプ。左肩スナップボタン+脇ジッパー、共布ベルト。裏地は上身頃のみ。左ジッパーなので、ポケットは右側のみにある。冬ジャンスカの生地はやや厚手でフレアの割には重量がある。

学校制服スカートで形状がフレアというのは珍しい類だが、ジャンスカのフレアというのはさらに珍しい。プリーツも艶めかしいが、フレアも妖艶に見えてしまう。女子生徒にとっては、いちいちプリーツの乱れを気にしなくて済むので、むしろ好ましいのかもしれない。



吹奏楽部のイベント演奏動画で、指揮者の後ろ姿を見るとジャンスカの揺れ具合が分かる。演奏者たちは立ったり座ったりを繰り返しているが、当然、スカート部を気にしている暇はない。しかし、フレアの形状ゆえ、思ったほど生地は潰されていないようだ。少し股が開いている女子が気になってしまう。


 

戸畑高校は令和2年度から、冬服にスラックスタイプを導入し、ジャンスカかスラックスかを選べるようになった。また、夏服にはブラウスとチェックスカートを採用することになった。中間服はジャンスカ、チェックスカートどちらでも着用可能とのことで、ジャンスカファンとしては、冬服にジャンスカを残した英断を称賛したい。どうせなら、夏服チェックスカートもフレアにすればよかったと思うのだが、女子生徒たちは反対だったのか。

画像:戸畑高校公式サイト

↑冬服

↑中間服


↑旧夏服

某リサイクルショップ(まともにリユースする店)のFacebookに、ブラウス800円、ジャンスカ3,800円と出ていたが、廃止になってしまったら、価値がなくなって、ただの古着に成り下がってしまう運命だ。

実際、リユース店ecocoのブログによると大量廃棄処分したらしい。

↑新夏服

リボンの装着は自由だそうだ。



会津若松ザベリオ学園(旧制服)フレア 脇オープン

脇オープンタイプで、かつフレアのジャンスカ。福岡戸畑高校のフレアよりはさらに広がったシルエットで、優雅さがいっそう際立つ。上には襟なしのイートン型上着を着用する。地元のみならず、制服ファンのあいだでは人気があったが、2011年の共学化をきっかけにモデルチェンジしてしまったのは残念である。

画像:ヤフオクreusetop



大阪女学院中学校高校 前ジッパー

中高共通の制服で、グレーのジャンスカの上に紺色のブレザーを着る。ジャンスカは、胸元前ジッパーで、ウエストベルト位置はやや低めという珍しいデザインで、大阪では一目で大阪女学院と分かる有名な制服だ。元は生徒のデザイン画による。

脱着は胸元のジッパーで行う。裏地は上身頃のみ。

夏服はグレーのスカートタイプになる。夏冬とも中高の違いはなく、校章バッジの色で唯一区別される。



画像:ヤフオクpine_remon



チェック柄

形状は一般的なジャンスカだが、上から下までチェック柄である。ウエスト部分と胸ポケットのみバイアス柄となっている。裏地は上身頃のみで紺一色。