コート

コートは外出の際に着用されるもので、外気や風雨などから身を守るためのものである。当然のように冷気にさらされ、風に煽られ、雨や雪に濡れてしまう運命にある。

日本では、北国での使用は特に過酷だ。


・ウールコート

・スプリングコート

・トレンチコート

・ダウンコート

・ファーコート

 

レインコート/雨具


ウールコート

ホワイト ウールコート JAYRO

一般的な表地ホワイトのウールコートだ。多くは共布のベルトが付属している。生地質はコートによってまちまちだが、ロングコートの高級品は裏地が滑りの良いキュプラ生地であることが多い。

このコートの裏地は表地と同様のホワイトだが、強い光沢があるため、後ろ裾のベントが翻ったときも高級感を醸し出している。


画像:ヤフオク kero19652006



グレー ウールコート nanashi

一見すると地味なグレーのロングコートだが、裏地は派手な真っ赤な生地が使われている、典型的なコントラスト衣類である。前のボタンは上部のみ、後ろ裾は長めなので、着用時に裾が風で煽られて翻り、真っ赤な裏地が晒されることを予定してのデザインである。

ちなみにこのような超ロング丈のコートは裾が地面に付きやすく、かなり汚れが付いてしまうものである。




盛岡白百合学園 コート

主に私立校では、上質なウールコートが指定されていることが多い。真冬仕様として、ロングコート、ダッフルコート、ハーフコートなど、春夏仕様として薄物のコート、そしてレインコートなどを選んで購入する。

しかしながら、購入はしたものの実際の出番はほとんどなく、数回着用して用済みとなるコートも多い。

写真のコートは、ウール100%でダブル、裏地はえんじ色のコントラストで総裏の立派な仕立てであるが、北国の学校であるがゆえに幸か不幸か出番は多く、卒業するころにはヘトヘトに使い込まれていた。



ブルー 光沢トレンチコート

表地はダークブルーの強い光沢があるトレンチコートだが、脱いだときには、もっと強い光沢の派手なゴールドの裏地が見えるという、ショッキングなコントラスト衣類である。着用時に裾が捲くれあがることも想定しているのであろう。

表地がつるつるなコートというだけで魅惑されるが、裏返すと予想を覆される色の裏地が見るというパターンは、いつも私を虜にする。




ダウン/中綿コート

ゴールド サテン中綿フリルコート

このようなツルツルのサテン生地が、どうしてコートにされなければならないのだろうか。コートは冷たい風雨にさらされなければならない環境で酷使される。それなのに、か弱そうな生地が使われる意味は何かと考える。


ゴールド サテン中綿ロングコート

幼い子供連れの若い奥様が着ているのは、明るい金色のサテン中綿コートだ。ウエストを共布ベルトでしっかり締めている。

横の鉄柵には、子ども用のジャンパーが2着、重ねて無造作に掛けられている。

シーソーに乗っている二人の女の子は双子であろうか、お揃いの光沢ジャンパーを着ている。みな冬の見慣れた光景だ。

ロング丈のコートを着たままで椅子に腰掛けるとき、裾はお尻に敷かれる。ツルツル光沢生地のコートも容赦なく下敷きになるので、すそのほうはシワだらけになり、痛々しい限りだ。

鉄柵に掛けられたままのジャンパーは、ときどき風に揺らぐが、誰にも見向きもされず放置されている。このまま忘れ物にならなければいいのだが、子供にはしばしば起こることだから心配だ。


濃紺 ダウンコート Recent Piece

裏地にも使われそうなつるつるの光沢生地が、表側に使用され、極寒の冷気や風雨にさらされる。ダウンコートでも、ウエストをキュッと縛った姿は、今にも婦人服といったシルエットに見えて大好きである。

画像:ヤフオク kaolovesweets27



欧米セレブの光沢コート

スターは派手なコートがお好みなのか。繊細な生地のコートのようだが、欧米人にぞんざいに扱われる。



雑に放置されるコートたち

脱いだコートを椅子の背もたれに掛ける例は多いが、時としてとても雑に脱ぎ置かれることがある。写真では、黒いコートのほうは少し歪んで掛けられているし、キャメルカラーのコートに至っては、裏地をさらされ、実に乱雑な状態で放置されている。