1916年に開校された私立聖心女子学院高等専門学校を前身とし、1948年の学制改革により聖心女子大学として発足した。日本最初の女子大学のひとつである。学部は1学部のみで8学科を擁し、学部の学生総数は約2,000名である。
なお、2019年度より、文学部を現代教養学部へ、学部内の英語英文学科を英語文化コミュニケーション学科へと名称変更した。
【速報】2020年度入学生より指定制服がモデルチェンジされ、現行制服は3代目である。(詳細後述参照)
大学発行の「Student Handbook 2018」によると、伝統的に式服として位置づけている制服があり、入学式、卒業式、謝恩会、その他大学行事には着用を義務づけているとしている。
もともと制服は創立当初から指定されており、最初のころは通学時に常時着用の義務があった。それが学生自身の自主的な決定により、1970年代に式服として入学式などの式典のみに着用するようになったという。現在の制服は、2020年度より採用された3代目制服だ。
創立以来、長いあいだ採用されていた初代制服はライトグレー色のスーツ上下で、スカートはボックスプリーツだった。
2000年ごろに一度モデルチェンジが行われ、2代目制服が登場する。それ以降、2019年度入学生までの制服は、チャコールグレー色の上着と同色のAラインスカート、そして、白色のブラウスである。襟元にはネクタイなどの付属品は付けない。ブラウスは、白い色であれば必ずしも指定のものを着用する必要は無いが、ほとんどの学生は金色の縁取りがあるボタンの指定ブラウスを着用した。
2020年度入学生から制服が再びモデルチェンジされ、現在の3代目制服が登場する。チャコールグレーの色合いや生地質はほぼ引き継がれているが、ジャケットの裾が丸くなり、ボタンも2個になった。またパンツスタイルも追加され、スカートかパンツか好みで選べる。ブラウスは推奨品として販売されていて、同じようなデザインで白いものであれば、市販品でも構わない。
入学してから少なくとも1ヶ月間のオリエンテーション期間中(5月の連休前まで)は指定制服を着て過ごすことが義務付けられているが、制服を着ていると新入生であることが一目瞭然でケアも受けやすいということで、意外と好評のようである。
販売は三越百貨店(三越スクールユニフォーム池袋店)担当だったが、2020年度入学生からの新制服は三越伊勢丹スクールユニフォーム日本橋店が窓口になっている。
聖心女子大学公式サイトFAQより
https://www.u-sacred-heart.ac.jp/exam/faq.html#8
「聖心のスピリット(清楚)を忘れないために、本学では伝統的に制服があり、式服として位置づけています。入学式、卒業式、謝恩会、そのほか大学行事の時には着用が義務づけられています。入学式までに指定業者にて各自で購入(制服一式で約4万円)していただきます。
新入学生は入学式から4月末まで制服着用としていますが、これは制服を着用することにより、本学の学生であるという意識を持っていただきたいという願いと、新入学生が迷ったり困ったりしている際に上級生や教職員が手助けしやすくするため、また新入学生同士がお互いに助け合いやすくするためでもあります。
オープンキャンパスでも案内の学生は制服を着用しています。遠慮なく声をかけてください。
大学生になっても制服?と、戸惑われるかもしれませんが、就職活動、公式行事や冠婚葬祭の際に服装に悩むことがないと案外好評のようです。」
創立から約50年の長きにわたり大学の顔として着用されていた制服は、ライトグレーのスカートスーツで、白いブラウスを合わせていた。
上着はノッチドラペルの襟で、前合わせは3個ボタンシングル。裾は角型だ。左右に切りポケットが付いている。特徴的なのは前身頃の縫い取りで、肩からポケットへ目立つように縫い目が付いている。後ろ裾にベンツの類はない。
スカートはボックスプリーツで裏地付きだが、初期のころのスカートには裏地が無かった。
画像制服提供:小林早苗
2000年ごろに最初のモデルチェンジをして2代目へと移行した。初代制服との違いについては後述するが、大きなポイントは色合いが濃いグレーになったこととスカートの形状だ。上着の着丈もやや長めになっている。それ以外、襟や縫い取りなどに変更は見られない。
近年親しまれていた制服だが、2020年度より新制服に移行した。
画像:制服市場 ポニー
2020年というキリがよいタイミングを狙って、二度目の制服デザイン変更が行われた。といっても、グレーの色合いや全体のイメージは大きく変わらないので、マイナーチェンジの一種とも言える。注目すべき点は、従来のスカートスーツスタイルに加えて、パンツスーツスタイルも選べるようになったことだ。ここでは便宜上「3代目」現行制服と呼ぶ。
大学キャリアセンターでは従来より大学指定の制服は就職活動時にも使用できると説明しているので、現在主流のリクルートスーツのデザインにあわせてきたのだろう。
スタイルで変更点がすぐに目につく部分は、上着の裾の形状である。旧型は直角型だったのが、新型では丸いカーブを描いている。
それ以外では、3つボタンが2つボタンになったぐらいで、襟の形状や身頃のカットなどは旧型と見分けがつかないぐらい同じだ。身丈と袖の長さのバランスも、旧型とほぼ同じイメージである。裏地は総裏地だが、色は表地と同系のダークグレーになった。
スカートは、以前の2代目制服と同じく、ヒダの無いタイプをそのまま採用しているようだ。
全体のデザインこそリクルートスーツっぽくなったが、グレーというこの色合いが受け入れられるであろうか。また、逆に聖心女子大学っぽさが薄れてしまった印象があり、少し寂しくも感じるが、新入生はじめ先輩方はどのように思われるであろうか。
ジャケット・スカート共に表地は毛50%、ポリエステル50%、裏地はポリエステル100%である。実際に触ってみると、生地質は旧制服よりやや薄手になっており、ジャケットも総裏地ではあるが軽快になった印象だ。
なお、式典および入学後のオリエンテーションなどでの制服着用義務については、新制服でも変更はない。
(大学広報誌『聖心キャンパス』での掲載は、221号=2020年3月発行にて発表)
画像:聖心女子大学公式-新入生の皆さんへ
画像:聖心女子大学2020新入生向けチラシ
画像:広報誌『聖心キャンパス』221号P11---2020年3月発行
画像:聖心女子大学公式-新入生の皆さんへ
2000年仕様変更以降の制服のスカートは裾がやや広がったAラインの形状だが、2018年ごろより、ご丁寧にも就職活動に着用できるタイト型のスカートも販売されるようになった。
現行制服スカートのラインも、立ち姿を見るとさほど違和感が無いように感じるが、希望職種によってはきっちりとしたタイト型が必要なのだろうか。
シルエットだけでなく、吸汗速乾裏地を採用しており、夏の就職活動でも快適だそうだ。
いずれにせよ、僅かな間しか着用されずにタンスの肥やしとなることは、容易に想像できる。
校章は初代制服時代から現在までデザインに変更はないが、古い時代のものと比べると仕上げに若干の相違が見られる。初代制服時代の初期のものは銀製で、裏にSILVERの刻印がある。
現在のものは1辺およそ18mm菱形(横方向27.5mm、縦方向21.9mm)の校章バッジを左襟に装着する。管ピン留め式。
新入生には入学式当日に配布される。
"UNIVERSITAS TOKIENSIS A SACRO CORDE"は、ラテン語で「聖心女子大学」を表す。直訳すると「神聖なる御心の東京の大学」となるが、英語の正式名称が"UNIVERSITY OF THE SACRED HEART, TOKYO"であると知ると頷ける。ちなみにUNIVERSITAS TOKIENSISとだけ言えば東京大学ということだ。
画像:ヤフオク q1099456471
画像:ヤフオクjuragorira_9170
画像:聖心女子大学図書館 広報オンライン
<聖心女子大学公式サイトの説明>
「中央の二つのハートは、キリストの聖心(みこころ)と聖母マリアのみ心のシンボルです。左の茨(いばら)に囲まれたハートは人びとを救うために苦しまれたキリストの愛を象徴し、右の剣(つるぎ)に貫かれたハートはキリストとともに救いの業(わざ)に関わられた聖母マリアのみ心を表しています。
二つのハートを囲む百合の花は清らかさのシンボルです。
UBI CARITAS, IBI DEUS (ウビ カリタス イビ デウス) 「愛といつくしみのあるところに神います」は、本学のモットーです。」
画像&文章:聖心女子大学公式サイト
聖心女子大学では、3月上旬の卒業式(学位授与式)を含む1週間を卒業週間としている。卒業週間では、謝恩会、トーチライト・プロセッション、卒業式などが行われる。
毎年3月10日ごろの卒業式当日は指定の制服で登校するが、卒業式に臨む際にはアカデミックガウンとキャップ、フードのアカデミックコスチュームを制服の上に着用して出席する。
ガウンとキャップは1月中旬ごろに卒業予定の学生に配布(貸与)される。返却されたものは、一枚ずつきちんとクリーニングされる。
主な納入業者は日本橋三越である。
このアカデミックコスチュームは、卒業週間の中で卒業式に先駆けて行われる伝統行事「トーチライト・プロセッション」においても着用される。この行事は「聖心スピリット」への思いをこめた蝋燭の灯火を在学生(3年生)が新卒業生(4年生)から受け継ぐものだ。卒業週間は在学生は制服を着用して出席する。
さきのブログ→http://blog.crooz.jp/s1a0k3i1/ShowArticle/?no=1315
「トーチライト・プロセッション」についての学生のブログ記事(2012年4月)。
新型コロナウイルス感染予防対策で、学校行事や授業が軒並み中止になったが、特に可哀想なのが、制服のある大学である。
聖心女子大学には制服があり、在学中常時着用の義務はないが、新入生は入学式とその後の1か月間のオリエンテーション期間に着用することになっている。
ところが、2020年は4/04に予定されていた入学式とその後の行事が中止となり、制服は一度も出番がないままである。もし、オリエンテーション期間がないまま卒業を迎えるとなると、皮肉にもかなり程度の良い中古制服が市場に出てくることになるだろう。
2020年度と言えば、制服デザインが変更された年でもある。新制服デビューのはずが、全く惨めな新年度となってしまった。
<追記>
翌年の2021年4月13日、2020年度入学生の入学式が挙行された。前年で袖を通してもらえなかった制服も晴れてこの日、学生たちに着用してもらたわけだ。
気になるのは昨年作った制服が、1年後にも着られる体型を維持できているかだ。スカートはもちろん、上着も着用時はボタンをきっちり留めないといけないので、コロナで運動不足気味の女子たちがサイズに問題なく着られたのかどうか心配である。(下記入学式写真)
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最終更新日:2024年11月16日
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