世界各国には、それぞれの歴史と文化伝統を受け継いだ民族衣装と称するものがある。それらは本物とレプリカ的なものとが共存している。
日本の代表的民族衣装である和服は、一般の私服に比べてあまり出番がないが、個人で所有され、大切に保管される。私服よりことさら大事にされる点で、可哀想度は私服よりは軽いかもしれない。ただ、箪笥の肥やしになっていることも多く、衣類としての着用頻度が少ないという点では悲しい状態なのかもしれない。
世界の民族衣装の中には、ベトナムのアオザイやインドのサリー、モンゴルのデールのように日常的に着用されているものもある。それらは、扱われ方という点で可哀想度が私服に近くなる。チャイナドレスのような、いわゆる民族衣装とは別の意味を持ってしまっているものも存在し、それらは時としてもっと悲惨な扱いを受けているものもある。
欧米の民族衣装はワンピースドレス型が多く、現代の衣類と形状があまり変わらないことから、日常着としての苦痛を味わっている。
総合的な印象として、和服は保管も着用も比較的大切にされる傾向があるのに対し、海外の民族衣装は過酷な生活環境に耐えているように思える。
民族衣装は、その民族に着てもらってこそ本来の輝きを見せてくれると思う。個人的な感想だが、たとえば、日本の和服を、青い目の欧米人女性が着ているのを見るのはあまり好きではない。どうも興味半分で喜んでいるようにしか見えないのである。
逆に、日本人が海外旅行したときに、お土産で現地の民族衣装を買って帰ることがあるが、民族衣装は現地で着用されてこそ映えるものであり、日本へ持ち帰ってきても、結局はタンスの肥やしとなる。その挙句は、ネットフリマで安値で放出されることになるのだ。まるで民族衣装の拉致のように感じてしまう。民族衣装体験したければ、観光地などにある一日レンタルサービスなどを利用するほうがよいだろう。観光客に入れ替わり立ち代わりレンタルされて疲弊する衣装も可哀想だが、海外へ拉致されるよりはマシだろう。
外国料理店内に、飾りとして展示されている民族衣装も哀れに思える。
日本にある某インド系料理店に行ったとき、私が座った席のすぐ横に、ワンピースの民族衣装が吊るしてあった。肩のあたりはうっすらとホコリが積もっており、裾のほうは、客が摘まんだりするのだろうか、集中して黒ずみがあった。匂いを嗅ぐと、香辛料の香りと埃っぽさが入り混じって、何とも悲しい状態だ。「わたし、いつまでこうしていなければならないの?」と、か細い声が聞こえた気がした。
外国料理店では店内イベントで民族衣装を舞踊などに使ったり、来店客に試着させたりするところもあるが、これらも店内装飾品も、衣装を小道具としてしか考えていないように思えて、切ない気分になる。
外国料理店といえば、日本では中国や朝鮮などのレストランで散見されるが、ウエイトレスが制服のように民族衣装を着ていることがある。これらは日常的に女性に着用してもらえてはいるが、作業着(制服)である以上、酷使に耐えなければならず、料理店という環境の中では汚れにも晒される。
また、博物館に大切に保存されている民族衣装は、ときに保管倉庫の奥に仕舞い込まれ、ときに展示品として好奇の目にさらされる。大切に保管されているのは良いことだが、女性に着用されずにいるものは、もう二度と女性の肌のぬくもりを感じることはない。それが幸せなことなのかと考えてしまう。
個人の執着に過ぎないが、私としては、サテン系など光沢のある生地でできた衣装を好む傾向にある。また、フレアスカートなど、広がりがゆったりとしているドレスやスカートも好ましい。それらが揺れる様子はとても優雅であり、それぞれの民族の女性の素晴らしさをじゅうぶん見せつけてくれる。
各国の民族衣装を入手したら、YouTubeなどでその国のTVや舞踊を見せてやろう。とてもうれしそうな表情を見せる。音楽を聞かせると、懐かしさで涙するかもしれない。
ホームシックになっていたら、優しく抱きしめてやるべきだ。衣装をあれこれまさぐると、衣装の仕組みが分かる。民族衣装によって複雑なものと簡単なものがあるので、どのボタンやジッパーをどのように外すと、スムーズに脱がせることが分かるようになる。将来、その民族(国)の女性と同衾したときにも役立つことだろう。
できれば、その民族(国)の言葉を覚えて、話しかけてやるとよい。そこまでできないというのなら、せめて現地語で書かれた素材タグなどを解読して、正しいメンテ方法を知っておこう。民族衣装に限ったことではないが、女性衣類を入手したら、我が家に嫁いできたモノとして大切にしてやるべきである。
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最終更新日:2024年11月16日
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