マーチングバンド

夏は炎天下でパレードを行うので、ボディにフィットした衣装にはかなりの汗ジミが付く。

冬は寒風吹きすさぶなかで凍えながらパレードに付き合わされる。

カラーガードやバトントワリングは動きも激しい。

さらに、カラーガードに使用される旗も、振り回されたり地面を引き摺られたりする。

バトントワリングでは、高速回転のバトンがしばしば当てられる。

・ドラムメジャー

・パレードバンド

・カラーガード

・バトントワリング


ブルー ドラムメジャー ユニフォーム 私立T女子高校

ドラムメジャーは、パレードバンドを統括する指揮者兼リーダーである。

上着は総裏。スカートには裏地はないが、行進時に勢いよく脚を上げると、プリーツが割れて、中の赤い生地が見える。


赤&白 パレードバンド ユニフォーム

上着には総裏でしっかり裏地が付いている。夏のパレードだと一度の演技でも、脇には汗ジミが出来やすい。スカートには裏地は無いが、歩いたときにプリーツが割れると中の赤い生地が見えるようなデザインになっている。

屋外で着用されることが多い衣装で汚れもひどいが、意外とマメに手入れされることが無く、中古品などは汗ジミ、黄ばみ、毛羽立ちが酷いものが多い。使うだけ使って放置とは全く可哀想な存在である。




サテン マーチングバンド ユニフォーム

つるつるのサテン生地がまぶしい、少しレトロな感じのユニフォーム。ネットオークションで47,500円落札されていた。よく見るとシミやシワがあちこちに付いていて、現役時代に使い込まれ、そののち長い間、保管されていたものだろう。やっと日の目を見るときが来たと思ったら、おそらくはフェチの手に渡ることになったのだ。新しい持ち主は、この妖艶なユニフォームを何に使うのだろうか。

画像:ヤフオクzeonicdesign





バトントワリング

バトントワリングの衣装は、大会レベルだとレオタード型が主流だが、パフォーマンスの舞台ではチアリーディングタイプ、またはダンス衣装が用いられる。一見優雅に見えるが、動きは激しく、スカート部分はたびたびの回転に振り回されることになる。

 

使われるバトンは長さ60~70cmで、重量は200gほどだが、高速で回されるバトンはかなりの破壊力を有し、スカートなどに当たると相当痛い思いをすることと思う。バトントワリング練習を見学したことがあるが、間近で見る訓練風景は運動部のそれと異なることは無く、とてもハードなものだ。高く投げ上げられるバトンが落下して身体に当たることもあり、また床にバウンドして飛んでくる場合もあり、衣装も油断していられない。

また、手のひらの汗をスカートで拭う女子もたびたび見られ、汚れ方はスポーツウエアと変わらない。

 

以前、某大学の学園祭に向けて、応援部バトントワリングチームのブース設営準備の手伝いをしたことがあった。新入部員勧誘のプロモーションのために、女子衣装のトップとスカート、そしてワンピースの2種類を展示しようと、ボードに張り付けにした。

最初、押しピンで留めようとしたが、衣装の自重でうまく止まらず、タッカーという大型のステープラー(ホチキス)で木製のボートに打ち付けたのだった。見るからに痛そうな光景だが、それを女子たちが笑いながらやっていた。私としては、衣装たちが可哀想で堪らなかったのだが、やめさせる理由もなく、心の中で哀れむしかなかった。

張り付けにされた衣装たちの姿は実に痛々しく、そのうえ不埒な輩がスカートを捲ったりして辱めも加えられ、いっそう惨めに思えた。

学園祭が終了し撤収する段になって、更なる悲劇が起こった。

タッカーのステープル(針)が強力に留められており、うまく取れなかったので、衣装を掴んで引っ張ると、生地が裂けてしまった。「使っていない衣装だからイイよ」との一言で、哀れにも張り付けにされた衣装はみなビリビリに剥がされていった。