不法投棄

私が中学生の頃だったか、郊外へハイキングに行ったとき、山道にセーラー服が捨てられているのを見つけたことがあった。しかも、そんな経験が2回もあったのだ。

ひとつは、ぺっちゃんこになって半分ほど埋まるような感じで、地面にへばりついていた。濃紺のセーラー服で、白いラインだった。棒で少し捲ってみると、黒い裏地は朽ちたように荒れていて、ナメクジが引っ付いていた。誰にも顧みられないまま、土に返っていったのだろうか。

もうひとつのセーラー服も濃紺で白いラインがあった。こちらは捨てられたばかりのもののようで、生地にも膨らみがあり、それだけに生々しかった。一緒にいた友人が遠くへ蹴飛ばすと、セーラー服は助けを求めるかのように袖を小枝に引っ掛けていた。

制服を処分するなら、きとんと廃棄しないと成仏できないような気がした。



ビジネス街の一角で、女子社員の制服だったものと思しきセットが山盛り投棄されている場面にも出くわしたことがある。

小さな会社が店じまいしたのか、あるいは制服入れ替えで不要となったのか分からないが、ブラウス、ベスト、スカートなどが数人分あった。スカートにはベルトが付いたままのものもあり、ハンガーに掛けられたままのものや、クリーニングのビニール袋が掛けられたままのものもあった。ロッカーから一斉に取り出して、放り出したのだろうか。

きわめて事務的なやり方に唖然とした。